非核3原則堅持し、核なき社会へ主導する 総理

2018年08月07日 06:23

 安倍晋三総理は6日、広島市原爆死没者慰霊・平和祈念式で「非核3原則堅持」を述べるとともに「核兵器のない世界の実現には核兵器国と非核兵器国の双方の協力を得ることが必要だ」とし「粘り強く双方の橋渡しに努めて、国際社会の取り組みを主導していく」と語った。

 また「若い世代が被爆者の方々から伝えられた被爆体験を語り継ぐ。政府として、そうした取り組みをしっかり進めていく」と述べた。

 式典後の被爆者団体との会合では核兵器禁止条約への署名・批准を行うよう安倍総理に求める声があったが、総理は核兵器のない社会実現には核兵器国と非核兵器国、双方の協力を得ることが必要との考えから、核兵器禁止条約の目指すところは共有するが、アプローチの考えを異にしているとして、署名しない考えを示した。

 一方、広島市の松井一實市長は平和宣言の中で「核抑止や核の傘という考え方は核兵器の破壊力を誇示し、相手国に恐怖を与えることによって世界の秩序を維持しようとするもので、長期にわたる世界の安全を保障するには極めて不安定で、危険極まりない」と提起。

 「為政者はNPT(核不拡散条約)に義務づけられた核軍縮を誠実に履行し、さらに、核兵器禁止条約を核兵器のない世界への一里塚とするための取り組みを進めていただきたい。また日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現するため、核兵器のない世界の実現に向けた対話と協調を国際社会が進めるよう、その役割を果たしていただきたい」と政府に訴えた。(編集担当:森高龍二)