元徴用工に対する韓国の最高裁判所の判決をめぐり日韓関係に影響が懸念される中、朴槿恵(パク・クネ)大統領時代の日韓両国政府の合意に基づいて、日本側が元慰安婦の人らの名誉回復へ10億円を拠出し、韓国政府がこれを原資に、その目的を果たすために設立した「和解・癒やし財団」が今月中に解散の見込みで、日韓関係の関係に悪影響がさらに出ることが懸念されている。
韓国の聯合ニュースが16日、韓国政府高官の話として「財団の解散決定を今月中に発表する」と報じた。「解散までの法的手続きは6か月から1年ほど」としている。韓国政府は日本が拠出した10億円を、韓国政府の予算に置き換え対応。慰安婦被害者や遺族への支援事業で生存者34人(15年12月時点)、死亡者58人の遺族に合計約4億4100万円(44億ウォン)を支給している。
聯合ニュースは「韓国政府は日本側に対し、財団が機能できない状態のため、解散せざるを得ないと説明している。これに対し、日本側は慰安婦合意の着実な履行を強調し、解散に反対意見を示している」と伝えるとともに「韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金に対し、日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者への賠償を命じた判決に日本政府が反発し、両国関係が冷え込んでいる中、財団の解散が発表されればさらなる関係悪化は不可避だ」と懸念を伝えている。(編集担当:森高龍二)