山武が熱対策ソリューションを提供する米社への出資契約締結

2012年01月17日 11:00

 azbil グループの山武は、ビルディングオートメーションにおける環境制御事業の強化の一環として、米国Degree Controls 社への部分的な資本参加を決定し、1月12日に出資契約を締結しました。今回の出資金額は日本円で約2億円、出資比率は約13.8%となる。今回の出資により、同社はDegree Controls 社の事業上の戦略パートナーとして、営業および技術開発の協業を進めていくという。

 Degree Controls社は、通信、医療機器、コンピュータおよびエレクトロニクスの各産業に、高性能電子機器から発生する熱を気流工学を駆使して冷却する放熱制御や温度制御で解決する熱対策ソリューションを提供するリーディングメーカー。同社は、2009年1月にDegree Controls社の「AdaptivCOOLTM(アダプティブクール)」の日本国内における販売契約を締結、2009年7月より販売を開始している。AdaptivCOOLは、データセンターの課題とされている熱だまりや冷やしすぎを解消し、最適な温熱環境を実現するソリューション商品。導入により、空調にかかわるエネルギー量を約20%削減(500m2規模のデータセンター)することが可能だという。2010年10月に、AdaptivCOOLがグリーンITアワード2010のITの省エネ部門「経済産業省 商務情報政策局長賞」を受賞、2010年12月には、サーバルーム内の気流を最適な状態に保つとともに、省エネルギーを実現する新機能「気流制御システム機能」を追加するなど、確実に国内のデータセンター市場において販売を伸ばしている。

 今後、AdaptivCOOLを国内のデータセンター市場のみならず、高発熱負荷の課題をかかえる市場に積極的に提案。さらに今回の出資を機に、Degree Controls 社の持つAdaptivCOOL 以外の熱対策技術、温度・気流センサー、熱負荷ソリューションの事業領域においても、Degree Controls社と協働で新しい事業展開を検討し、azbil グループとして5年後に20億円の売上を目指す。