トヨタ、ミッドサイズSUV新型「RAV4」を3年ぶりに日本市場に投入

2019年04月14日 11:32

Toyota RAV4 Adventure

新型SUVのトヨタRAV4、写真はガソリン車でダイナミックトルクベクタリングAWDを採用する「Adventure」で313.74万円

 トヨタのミッドサイズSUVである「RAV4」が3年ぶりに国内市場に投入された。5代目となるモデルだ。初代モデルは、まだSUVという呼び名が定着する以前の1994年に、クロカン4WD車の定石ともいえるフレーム構造とせず、2ドア+リアゲートのコンパクトな5ナンバーのモノコックボディを持った4WD車として開発された車両だった。その後、モデルチェンジを繰り返すなかで徐々に大型化して、4代目RAV4は、国内販売されなかった。今回の5代目となる新型は、昨年3月のNY国際自動車ショーでプロトタイプとしてトヨタブースに展示されたクルマだ。

 そして、今回の5代目の国内投入モデルである。トヨタの「TNGA(Toyota New Global Architecture)」をベースに開発した「GA-Kプラットフォーム」を採用し、パワートレーンを見直した新人の登場だ。ボディサイズは主要市場である北米を睨んだ結果、なかなか立派な体躯となった。全長×全幅×全高4600-4610×1855-1865×1685-1690mmとなり、全幅がかなり広い。ホイールベースは2690mmだ。

 その新型が搭載するパワーユニットは新開発直噴ガソリンエンジンとハイブリッド。まず、TNGAの思想に基づいた2リッター直列4気筒直噴エンジン「ダイナミックフォースエンジン」だ。これに、無段変速機「Direct Shift-CVT」を組み合わせ、力強くダイレクトな走りと、優れた燃費性能を両立した。

 駆動方式は端的に言ってしまえば高度に電子制御されたフルタイム4WD。新開発した4WDシステムは世界初とされる「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用した。走行状況に応じて、前後トルク配分に加え、後輪トルクを左右独立で制御する「トルクベクタリング機構」と、4WD走行が不要と判断した時には、後輪に動力を伝達させる駆動系を切り離して燃費向上を図る「ディスコネクト機構」を搭載している。

 一方、国内販売されなかった4代目からシリーズに加わったハイブリッド車もラインアップする。ハイブリッド車には、TNGAの思想に基づいたエンジン2.5リッターの「ダイナミックフォースエンジン」を搭載した新型ハイブリッドシステムを採用。優れた燃費と気持ちの良い加速性能を実現している。

 また、ハイブリッド車の4WDシステムとして、最新のハイブリッド技術を継承した新型E-Fourを採用した。後輪の最大トルクを増加(先代比1.3倍)させ、同時に前後輪トルク配分を100:0~最大20:80まで自動制御するシステムを採用。コーナリング中の前後輪トルク配分を最適に制御し、操縦安定性を高めたほか、後輪のトルクを上げたことで、降雪時や雨天時における登坂発進時の安心感も向上したという。

 加えて、4WD全車に4WD統合制御「AWD Integrated Management(AIM)」を搭載。駆動力、4WD、ブレーキ、ステアリングを統合制御。路面や運転状況に合わせて選択できるマルチテレインセレクトやTRAILモード、ドライブモードセレクトの走行モードに応じ各制御を最適化することで、優れた操縦安定性と走破性、快適な走行性能を実現した。

日本仕様車では、WLTCモードにおける燃費および排出ガスに対応しており、ガソリンモデル、ハイブリッドモデル共に「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得している。新型の価格はガソリン2WD車が260.82万円、ガソリン4WDモデルが283.5万円~334.8万円。ハイブリッド2WD車が320.22万円、同4WDモデルが345.06万円~381.78万円だ。(編集担当:吉田恒)