北方4島を巡る問題で「戦争しないとどうしようもなくないですか」など北方4島ビザなし交流訪問団に参加した際、訪問団長に憲法の原則に反する発言をした丸山穂高衆院議員(日本維新の会が除名処分)について、元防衛大臣の石破茂自民党元幹事長は「このような人が国家公務員として経産省に奉職し、国会議員を務めていたことにも驚きを禁じ得ません」とブログに書き込んだ。
石破氏は丸山氏の経歴から「国家公務員は、ただ勉強ができて試験の成績が良い人を採ればよいというものではありません」と問題提起した。
ブログでは「丸山穂高議員の発言は『急迫不正の武力攻撃』が発生した時にのみ自衛権の行使としての武力を行使することが出来る、という国際法や自衛隊法の基礎的常識を知らなかったという一点において、ただただ驚き呆れるばかり」と呆れたとしている。
そして「拉致被害者は自衛隊が取り返すために行動すべきだ、竹島は武力で奪還せよ、などという勇ましい発言があることは事実ですが、丸山議員は一般人ではありません。このような人が国家公務員として経産省に奉職し、国会議員を務めていたことにも驚きを禁じ得ません」とつづった。
丸山議員に対しては発言内容が「国是の『平和主義』に反し、国会全体の権威と品位を著しく汚した事実は拭い難い」として立憲、国民、共産、維新、社民など6党会派が辞職を求めて「議員辞職勧告決案」を国会に提出している。
一方、自民、公明は発言に対しての辞職勧告は慎重にすべきなどとし、21日、憲法の原則(平和主義)に反する重大問題発言にもかかわらず、反省を求めるだけの「けん責決議案」を国会に提出した。
丸山議員は20日「(発言について)憲法の理念を逸脱しているとは考えていない。私がやりましょうよという話でもない。(「戦争で島を取り返すことに賛成か、反対か」と)賛否を聞く形での発言で、憲法違反に当たらない」などと述べたほか、「戦争しないとどうしようもなくないですか」などとした発言も含め、日本維新の会の片山虎之助共同代表がロシアのガルージン駐日大使に丸山議員発言に謝罪したことについても「ロシアへの『おわび』は完全に意味不明な対応かと」とツイッターに書き込んだ。
そのうえで辞職勧告については「発言に対して(議員辞職勧告決議案を)出すのは由々しき事態だ」などとし「私が辞めることで前例を作ってしまいかねないので、絶対に辞めるわけにはいかなくなってしまっている」などと発言内容の重大さを理解していないのか、辞職する考えのないことを強調している。(編集担当:森高龍二)