不動産経済研究所の調査によれば2019年上半期の平均マンション価格は、首都圏で6137万円、近畿圏で3853万円となっており2%台の上昇傾向が続いている。首都圏は都区部の平均7644万円が平均値を引き上げており他のエリアでの平均価格は概ね5000万円前後だ。首都圏はオリンピックの影響が背景にあるが、いずれにしろ耐震性・耐火性、管理サービスでの高級志向が高まっているようだ。
野村不動産がマンション購入検討中の20代から50代の男女500名を対象に「マンション購入に関する調査」を6月に実施、その集計結果を19日に公表した。レポートによれば、「マンション購入を検討している理由」について尋ねたところ「資産になるから」が43.2%と最も高く、続いて「老後に適した住宅に住みたいから」が31.8%、「新しい住宅に住みたいから」29.6%「交通の便が良い場所に住みたいから」26.8%となっており、資産価値や老後を見据えた利便性などを重視しているようだ。
想定予算について聞いた結果では、「3000万円台」が24.6%で最も多く、次いで「2000万円台」が23.6%で「2000万円以上4000万円未満」で48.2%と約半数となっている。次いで多いのが「1000万円台」15.0%、「4000万円台」11.8%、「5000万円台」7.6%、「6000万円台」1.8%などとなっており、4000万円以上のいわゆる高級マンションの購入を検討している者は27.4%と4人に1人を超えている。
検討しているマンションの立地は「都市近郊か郊外か」という質問に対しては「都市近郊」が78%、「郊外」が22%と8割は都市近郊の立地を希望している。都市近郊を希望する理由については、「交通の利便性があるから」が81.3%と断トツで多く、次いで「資産価値が落ちにくいから」が53.7%と半数超え、「周辺の施設が充実している」37.1%と8割が交通の利便性を最重要視しており半数超えが資産価値を重視している。交通の利便性も周辺施設の充実も資産価値が落ちない要素である。
「新築マンションか中古マンションか」という問いに対しては「新築」が半数の50%、「中古」が20%で、「どちらも」の30%を含めると8割が「新築」を検討している。新築購入理由としては購入マンションを最後の住まいにしたいと考えている者も多く、この点からも生活利便性を重視した高級化志向が高まっているようだ。(編集担当:久保田雄城)