GSOMIA破棄も「日韓請求権協定守れ」総理

2019年08月25日 10:35

 安倍晋三総理は23日、フランスで開催されるG7サミット(24日~26日)への出席を前に記者会見し、韓国がGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定=秘密軍事情報保護協定)を破棄するとしてきたことに「韓国に対しては日韓請求権協定違反の解消といった、国と国との信頼関係を回復し、約束を守ってもらいたい。この基本的な方針には今後も変わりない」と徴用工問題がまず念頭にあることを改めて浮き彫りにした。

 安倍総理は「彼らが国と国との約束を守るように求めていきたい」と安全保障にかかわるGSOMIA破棄より、日韓請求権協定への国内対応を強く意識していることをうかがわせた。

 安全保障の問題に関して、安倍総理は「現在の北東アジアの安全保障環境に照らせば、日米韓の協力に影響を与えてはならないという観点から対応してきた。今後とも米国としっかり連携しながら、地域の平和と安定を確保する、日本の安全を守るために対応していきたい」と米国へより肩を寄せる姿勢をうかがわせた。米国が呼びかける中東への「有志連合」への対応にも今回の状況が影響しないか、懸念する声もある。

 安倍総理は日米首脳会談では「緊張を増している中東情勢について、今後とも外交努力を継続していくという観点から、トランプ大統領と率直な意見交換を行いたいと考えている」と述べた。(編集担当:森高龍二)