家電販売、大型生活家電のけん引で上昇傾向。消費税増税の影響は小規模に

2019年09月06日 06:33

画・家電販売、大型生活家電のけん引で上昇傾向。消費税増税の影響は小規模に。

GfKジャパンが2019年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表。2019年上半期の家電小売市場は大型生活家電がけん引し上昇傾向。通年成長率は2%程度の見込み。消費税増税の影響は小規模と予測。

 10月に消費税増税が控えている。消費税の増税は増税前の駆け込み需要と増税後の反動減を生み出し消費市場に影響を与える。通常この影響は数か月程度のもので1年という期間をとってみれば両者は相殺され長期的には影響なしとされる。しかし、14年の増税時には増税後の反動減が長期にわたって続き消費の長期低迷を生み出した。今回もこうした低迷が生じないか懸念されており、消費関連市場の動向は注目を浴びている。

 市場調査業のGfKジャパンが全国の有力家電・IT取扱店の販売実績データ等を基に2019年上半期(1-6月)の家電およびIT市場の販売動向を推計し、その結果レポートを14日に公表している。

 レポートによれば、19年上半期の家電小売市場は冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの大型生活家電が市場をけん引し、AV関連、IT関連でも前年を上回るなど、金額でわずかに前年を上回る結果となった。19年通年では前年の販売金額を2%程度上回ると予測され、レポートでは「消費増税の影響は、増税前の駆け込み需要、増税後の反動減ともに、2014年の増税時よりも小規模となるとみられる」としている。

 商品別に市場の動向を見ると、生活家電では大型生活家電を中心に概ね堅調に推移、冷蔵庫は230万台と推計され前年比2%増とプラス成長を持続している。洗濯機は270万台で前年比2%の増加、中でもドラム式は13%増と2年連続で2桁成長を記録し、容量クラスでは大容量10kg以上の販売台数が10%増と2桁の伸びとなっている。エアコンは初夏に全国の気温が平年を上回ったことなどにより450万台と好調で前年比12%増の高い伸びとなっている。

 一方、掃除機は前年比1%減の390万台となった。スティックタイプは14%増、ロボットタイプは9%増と好調であったがキャニスタータイプ14%減、ハンディータイプ15%減が全体を押し下げている。

 生活家電以外では、AV市場で薄型テレビの販売台数が前年比4%増の270万台となるなど好調で数量・金額ともに前年の販売を上回った。テレコム市場はスマホを中心に携帯電話の販売台数が4%減少した一方でウェアラブル端末が46%増などとバラついている。イメージング市場ではデジタルカメラ18%減、コンパクトカメラ18%減、一眼レフ37%減と減少傾向となっている。一部バラつきが見られるものの家電市場全体としては好調のようだ。(編集担当:久保田雄城)