ヤマハ発動機の中国人ライダー「2011ヤマハVラリー」のバイク隊は、合計18の省を通過し、その間に約200店のヤマハ販売店を訪問。それぞれの地域の人々と交流しながら、利便性だけではないバイクの魅力を伝えた。
中国は生産でも、また需要でも「世界一のバイク大国」だが、その多くは人々の暮らしを支える実用車として活躍している。日常の移動や荷物の運搬のパートナーとして、二輪車は中国の人々にとって欠かせない生活具となっているのだ。そうした環境の中を、「旅」を目的に隊列を組んで悠々と走り抜ける10数台のバイク隊が注目を集めたという。
それがヤマハ発動機の中国人ライダー「2011ヤマハVラリー」のバイク隊。中国の地図を机に広げて、新疆ウィグル自治区の清水河、黒竜江省のハルビン、そして広東省の江門の3点を線で結ぶと、スケールの大きなVの字が浮かび上がる。この総延長距離約20,000kmのルート上を2つのチームに分かれたバイク隊が、ゴール地である江門をめざして旅を続けた。
旅の目的は、合計18の省を通過し、その間に約200店のヤマハ販売店を訪問。それぞれの地域の人々と交流しながら、利便性だけではないバイクの魅力を伝えることだった。「私たちは、安全運転の模範を示す、販売網を激励する、それから地域社会に貢献するといった役割を担っていますが、個人的には”バイクはこんなにも夢にあふれた乗り物なんだ”ということを一人でも多くの方に感じていただきたいと願っています」と話すのは新疆ウィグル・ルートのチームを率いるYMSM営業企画部所属の王雷隊長。
45日間の旅を終えてすでにゴールに到達したライダーだが、全行程の約3分の2を終えた頃、疲労が頂点に達したという。カンフル剤となったのが、各地で行われた社会貢献活動。特に数日おきに行われる小学校への訪問はライダーたちにとって一番の楽しみとなった。「各地の学校を訪問し、地域の販売店の協力を得て通学用リュックの寄贈などを行いました。『こんな大きいバイクは初めて見た!』『え! そんなに遠くからきたの?』『ありがとう。こんなリュックが欲しかったの』。無邪気な子どもたちの前ではラリー隊もヒーロー扱い。子どもたちとおしゃべりをしていると、不思議なことに疲れが取れた」と振り返る。
企業の事業展開、社会活動は様々だが、2輪車のパイオニアであるヤマハ発動機のバイクによる地域密着型の地道な活動は今後も、世界各地で形を変えながら永続的に続けていくという。