社会民主党の吉川はじめ幹事長は政府が日本船舶の安全確保を理由に自衛隊の中東地域への派遣を決めたことに「自衛隊が展開する海域も対立の最前線となる可能性があり、重武装した国または国に準ずる組織との戦闘に自衛隊が巻き込まれれば、憲法が禁止する海外における武力行使に発展するおそれも否定できない」などリスクや派遣根拠に疑義を挙げ、閣議決定撤回を求めている。
吉川幹事長は「自衛隊の活動中に不測の事態が生じた際の部隊行動基準を策定するものの、公表しないことから、派遣や行動の妥当性も検証できない」と問題を指摘。また「アメリカ主導の有志連合に加わらないが、アメリカや有志連合に情報提供する形で貢献することになれば、イランを刺激することになる。アメリカとイランの軍事的対立に巻き込まれる事態も考えられ、将来的な有志連合への参加や集団的自衛権行使につながる地ならしになる危険性もある」と提起した。
吉川幹事長は「平和憲法を有する日本は外交による緊張緩和に力を尽くすのが平和国家としての道であり、米国とイランの対立解消を促すよう、トランプ大統領に姿勢の転換を迫るべき。このことが日本船舶の航行の安全にも資する」と自衛隊の中東への派遣中止と米国とイランの仲介に傾注するよう強く要請している。(編集担当:森高龍二)