パワーエレクトロニクス世界市場。EV等に牽引され4.7%の持続成長、2025年には442億ドル市場に

2020年08月20日 07:06

画・世界の電気自動車用のECU(電子制御ユニット)市場、2割超成長。2024年には178億ドル市場に。

環境問題への配慮から電力を駆動力へ変換するパワーエレクトロニクスが注目を浴びている

 環境問題への配慮から電力を駆動力へ変換するパワーエレクトロニクスが注目を浴びている。その代表は電力を駆動力として走るEVなどの電動式の車両や太陽光を様々な機器の駆動力として変換し利用する分野である。パワーエレクトロニクス市場は既にある程度の成長市場となっているものの今年2020年は新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響でほとんどのOEMが最終製品需要の減少を経験しており、パワーエレクトロニクスの市場も同様の影響を受けマイナス成長する見通しだ。

 3日に市場調査業のグローバルインフォメーションが市場調査レポート「パワーエレクトロニクスの世界市場 (~2025年):COVID-19の影響」を発刊、その一部を公開している。

 20年のパワーエレクトロニクスの世界市場規模は新型コロナの影響を受け、前年比はマイナスになると見込まれ351億ドルと予測されている。しかし今後は、EV・HEVの採用拡大に向けた各国政府の取り組みや自動車産業における電動化の進展、クリーンエネルギー発電など再生可能エネルギー発電の需要、充電ステーションの増加、工業化の進展、家電製品におけるインテリジェントモジュールの採用拡大、産業オートメーション・インダストリー4.0など様々な用途での高い電力効率の需要がパワーモジュール市場を牽引していくと見込まれる。

 中でもHEV(ハイブリッド電気自動車)やEVへの注目が高まっており、発展途上地域での自動車やその他の乗用車の需要が増加していることから、今後数年間で自動車業界がこの分野の市場の牽引役になるとレポートでは予想している。

 世界の中でも中国はxEV(電気自動車)の最大市場であり、自動車、特に新エネルギー車を国策としており、補助金や税制政策、その他様々な促進策を打ち出している。こうした取り組みが同国の自動車市場全体を押し上げパワーエレクトロニクス市場の拡大につながると期待される。

 今後25年までのパワーエレクトロニクス産業はAPACが最も高いCAGR(年平均成長率)で成長すると予測される。家庭用電化製品の急速な発展によりAPACは今後も最大の市場規模を維持し、また急速に成長する地域であると予想される。以上のような分析からレポートでは25年の市場規模は442億米ドルに達しCAGR4.7%で成長すると予測している。(編集担当:久保田雄城)