高出力電動二輪車(eモーターサイクル)の市場、2030年には23億ドルに成長

2020年08月19日 07:13

画・高出力電動二輪車(eモーターサイクル)の市場、2030年には23億ドルに成長。

グローバルインフォメーションがレポート「電動バイク:主要メーカー11社の戦略と実行力に関する評価」を発表

 世界的な排出ガス規制強化の中で自動車等輸送用機械の電動化の動きが進展している。四輪車については今年2020年が内燃機車両からxEV等電気駆動車両へのシフトの年と想定されていたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で本格的シフト拡大は数年後に遅延することとなった。

 二輪車については排出量が比較的小さいためあまり注目を浴びていないものの、小型・軽量で駆動力も小さく給電も比較的容易なため既に多くの製品がラインナップされており未だシェアは小さいものの新興国を中心に普及が拡大している。

 市場調査業のグローバルインフォメーションが電動二輪の動向に関する市場調査レポート「電動バイク (e-motorcycle) :主要メーカー11社の戦略と実行力に関する評価」を11日に刊行、同日にその要旨を公表している。

 レポートによれば、世界の二輪市場では未だICE(内燃機関)による車両が大勢を占め、eモーターサイクル(高出力電動二輪車)のシェアは比較的小さいままとなっているようだ。しかし今後の動向については、各国政府がよりクリーンな二輪車の生産を推薦しており、排出ガス基準の厳格化や消費者に対する購入奨励金、低排出ガス・ゼロエミッションゾーンの設定などを通じ電動二輪車の使用も奨励しているため市場の長期的な動向は堅調に拡大して行く見通しだ。

 既に、ハーレーダビッドソンやKTMなどの大手メーカーが、継続的なコスト削減とリチウムイオンバッテリー技術の向上を背景に、消費者に訴求する手頃な価格での高性能なeモーターサイクル製品を供給している。

 課題は、未だ価格が相対的に高く、限られた電気範囲と充電インフラなどだが、またガソリンの小売価格が低い状況にあること、新型コロナの影響による消費者購買意欲の低下も当面の市場の広がりを抑制している要因だ。

 20年のeモーターサイクルの年間売上高は億8900万ドルと見込まれるが、消費者の認知度が向上し、モデルの入手可能性とバッテリー技術の向上、リチウムイオンバッテリーの継続的な値下げ等により購入価格が下がれば、eモーターサイクルの販売は加速度を増していくと予想され、今後10年の年平均成長率は23.2%で、30年の市場規模は23億ドルに達するとレポートは予測している。(編集担当:久保田雄城)