近年はスマートフォンやゲーム機など、身近な電子機器を通して無線LAN環境が一般家庭に普及し、インターネットと連携したクラウドサービスも次々と登場している。LinuxR、AndroidRのような高機能OSだけではなく、今まで無線とは無縁であった機器にも搭載され始めている。
この背景には、Wi-Fi機能が小型モジュールとして容易に組み込めるようになったことがあげられる。Wi-Fiモジュールで高シェアを持つ村田製作所は今回、Wi-Fi TMドライバソフトウェアを開発した。この製品は、OSの一種であるLinuxR、スマートフォン用のOSとしてはアメリカと日本でトップシェアのAndroidRといった高機能OSのみならず、比較的ロースペックのCPUでもWi-Fi機能を組み込めるのが特長だ。
さらに最新の高速無線規格であるIEEE802.11nに対応しており、高速通信を実現。また、無線子機として動作するクライアントモードだけでなく、無線親機としても使用できるアクセスポイントモードも標準搭載している。無線LANの通信方法の一つであるアドホック接続より強固なセキュリティでの通信が可能で、例えばスマートフォンを用いて様々な製品・サービスへの応用が可能だという。
同社はこれまでも、色々な通信デバイスを開発してきたが、無線通信機能が一般家庭製品にも広がったことで設計者の裾野も広がり、デバイスとソフトウェアのハード・ソフト一体のワンストップソリューションとして提供するニーズが増えるとみている。今後も同社のソフトウェア開発者はWi-Fi搭載のキーワードを「より簡単・より速く・より低コスト」と掲げ、ビジネス拡大を狙っていると考えられる。