高齢者による窃盗増える 女性では検挙の9割

2011年11月29日 11:00

 65歳以上の高齢者が一般刑法犯で検挙されるケースが増えている。今月閣議決定された23年版犯罪白書によると22年中に検挙された高齢者は4万8162人。男女別では男性が3万1894人、女性が1万6268人になっていた。

 検挙理由では万引きが最も多く、特に女性は81.2%までが万引きによるもので、万引き以外の窃盗を含めると91.5%が窃盗による検挙だった。男性も32.5%が万引きで、万引き以外の窃盗を含めると54.3%と窃盗が半数を超えた。

 殺人や強盗といった凶悪犯罪で検挙された高齢者は殺人で174人、強盗で107人。障害や暴行といった粗暴犯で検挙された高齢者は暴行で2337人、傷害で1174人と、こちらも過去20年の推移で増加傾向を示している。

 高齢者の入所受刑者は2104人と2000人を超えている。一方、仮釈放の状況をみると、全体では49.1%であるのに、高齢者は28.3%と低かった。白書は「高齢者では引受人がいないなど、保釈後の帰住先が確保できないケースが多いことなどが考えられる」としている。また、再入所の割合も他の年齢層に比べて高くなっており、社会復帰への支援など課題の多いことも浮き彫りになっていた。(編集担当:福角忠夫)