民主党政権から自民・安倍政権以降、報道の自由度は下落の一途で、後退を続けている。国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」が世界180か国・地域を対象にした「報道の自由度」に関する調査結果を5日までに発表したが、民主党政権下で11位までにランクアップした自由度が、今年は71位にまで後退していた。
国境なき記者団は大企業が影響力を持ち、都合の悪いニュースをジャーナリストが配慮して報じない「自己検閲をしている」と指摘する。
立憲民主党の逢坂誠二代表代行は「日本の報道の自由度が昨年の67位から、さらに下がって71位となりました。2010年は11位でしたが、近年は低い状態が続いています。民主主義社会において確実な取材に基づく報道は極めて大切なものです。ちなみにお隣の韓国は43位でした」とツイッターで憂慮した。
報道の自由は民主主義の根幹を担うものだが、購読料のほかに、広告掲載料や広告放映料、閲覧数による収入に依存する商業ジャーナリズムでは、競争激化による大企業配慮の自己検閲のような事態が生じている可能性が否めない。
過去には自民党議員の勉強会で「マスコミを懲らしめるには、広告料収入が無くなるのが一番。経団連などに働きかけてほしい」などと新聞やテレビに広告を出さないよう圧をかけるとんでもない発言も飛び出している。日本のマスコミが厳しい状況に置かれているのは確かだ。圧に屈しない気概と努力がこれまで以上に求められている。(編集担当:森高龍二)