老舗企業、江戸開府以前の創業は152社。1位は京都。意外な2位以下は

2022年10月18日 06:49

画・老舗企業、江戸開府以前の創業は152社。1位は京都。意外な2位以下は。

帝国データバンクが全国「老舗企業」分析調査。江戸開府以前の創業は152社。地域別の出現率は京都府が5.15%でトップ、山形県、新潟県など日本海側が目立つ。「同族継承」割合は77.3%。

 日本は世界でも有数の老舗大国であると言われる。老舗(しにせ)と言う言葉は「仕似せる」という言葉に由来し、「先祖代々の家業を絶やさず続ける」、「長い商売で信用を得て資産を築く」といった意味があるそうだ。帝国データバンクの調査によると、2022年に業歴100年超の老舗企業 が初めて4万社を超えた。出現率(営業企業全体に対する老舗企業の割合)が高い地域のトップは、やはり古都の京都府であるが、山形県や新潟県などの日本海側も老舗出現率が高くなっている。これは老舗企業には清酒製造業が多く、いわゆる「酒どころ」の多い地域に老舗が多いという背景のようだ。

 10月12日、帝国データバンクが「全国『老舗企業』分析調査(2022年)」の結果を公表している。これは当社が保有するデータベース等から22年8月時点で営業の実体が確認できた企業を抽出し、創業・設立から100年超の企業を「老舗企業」と定義し分析を行ったものだ。これによると、老舗企業数は4万409社で初めて4万社を突破した。出現率は2.54%となる。このうち、江戸開府以前の創業は152社、江戸時代創業は3345社、明治時代が2万2122社、大正時代1万4790社となっている。業歴1000年以上の老舗は9社、500年以上が37社、300年以上814社、200年以上が1685社だ。

 出現率を都道府県別に見ると、トップは「京都府」の5.15%で唯一5%を超え、次いで「山形県」の4.98%、「新潟県」4.81%と「酒どころ」の地域が続き、4位は「福井県」の4.51%、次いで「滋賀県」4.41%と、日本海に面し北海道と大阪を結ぶ海運の要だった地域が続いている。業種別の企業数では、「貸事務所」の1245社がトップ、次いで「清酒製造」893社、「旅館」738社、「酒小売」687社と続いている。業種ごとの出現率で見ると、「清酒製造」の78.3%が断トツで高く、次いで「しょうゆ等製造」60.0%、「こうじ類製造」51.3%、「みそ製造」50.5%と続いている。

 日本が老舗大国である背景の一つとして、経営者が世襲で後継ぎとなる同族会社の定着が経営を安定させていると指摘されることが多い。現代表者の「同族継承」の割合をみると、老舗企業では77.3%と8割近くに達し、企業全体の40.4%を大きく上回っている。逆に後継者不在率は、老舗企業では49.0%となっており、全体の61.5%より12.5ポイント低くなっている。同族継承が事業継承を円滑にしているようだ。(編集担当:久保田雄城)