岸田文雄総理は24日開いた「スタートアップ育成分科会」で育成5か年計画について「次回の新しい資本主義実現会議で決定する」とするとともに「計画を実行し、日本をアジア最大のスタートアップハブにする」と意気込んだ。また大企業によるスタートアップ既存発行株式の取得に税制措置する、と優遇税制する考えを示した。
岸田総理は「スタートアップへの投資額を現在の8000億円規模から5年後には10兆円規模にする」とした。また「将来、スタートアップを10万社創出することを目指す」とした。
そのための取組みとして、岸田総理は(1)起業経験者が助言役となるメンターによる支援事業の育成規模を年間70人から5年後に500人に拡大する。海外に起業家育成の拠点となる『出島』を創出し、5年間で1000人規模の若手人材を派遣する。海外トップ大学の誘致によるグローバルスタートアップキャンパス構想を実現する。
(2)スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化を図る。創業者などの個人が保有する株式を売却してスタートアップに再投資する場合の優遇税制を整備する。ストックオプション税制の権利行使期間の延長も行う。
(3)既存の大企業からスタートアップへの投資を図るオープンイノベーションを推進する。特にスタートアップの成長に資するものについて、スタートアップの既存発行株式の取得に対しても税制措置を講じる、とした。新分野で将来成長性の高い創業企業が大企業の資本の下、傘下に組み込まれ、場合によっては乗っ取られるリスクもある。(編集担当:森高龍二)