岸田文雄総理は7日の政府与党連絡会議で総合経済対策について「対策の財源的裏付けとなる今年度第2次補正予算案の概算決定を8日に行い、できる限り早期の提出と成立を目指す」とした。
また総合経済対策は「世界的な物価高騰と景気減速という世界規模の経済下振れリスクに万全の備えをするとともに、物価高・円安への対応、構造的な賃上げ、成長のための投資と改革を重点分野として日本経済を再生するためのもの」と強調した。
政府は首相官邸HPで物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策が目指すものは(1)物価高騰・賃上げへの取組み(2)円安を活かした地域の稼ぐ力の回復・強化(3)新しい資本主義の加速(4)国民の安全・安心の確保だとし、財源に関しては財政支出で39兆円としている。これによりGDPで4.6%の押し上げ効果、消費者物価指数で1.2%以上の引き下げを目指す。
このうち、新しい資本主義の加速では「個人金融資産の現預金が投資に向かい、持続的な企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環を形成すべく『資産所得倍増プラン』を策定・実行する」と現預金の半分(1000兆円)が株式市場などの投資に向かうよう環境整備を図る考えだ。株式など投資には元本割れの危険があるが、岸田政権はこれに触れず「持続的な企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環」のみを強調している。「金融所得課税の見直し」は眼中にないようだ。(編集担当:森高龍二)