岸田文雄総理は21日、G7広島サミット(19日~21日)の閉幕に伴う記者会見で、サミットを総括。冒頭、総理は「今、我々はロシアによるウクライナ侵略という国際秩序を揺るがす課題に直面している。今のような厳しい安全保障環境だからこそ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、平和と繁栄を守り抜く決意を世界に示す、それがG7議長国である日本に課された使命」と語った。そして「平和の誓いを象徴する広島」での開催そのものが強いメッセージ性をもっていることを強調した。
岸田総理は「G7として初めて核軍縮に焦点を当てた『核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン』を発出することができた。この中で、77年間の核兵器不使用の重要性について一致するとともに『核戦争に勝者はなく、核戦争は決して戦ってはならないこと』を確認した。被爆地を訪れ、被爆者の声を聞き、被爆の実相や平和を願う人々の想いに直接触れたG7首脳がこのような声明を発出することに歴史的な意義を感じる」と「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」を評した。
岸田総理は「我々首脳は2つの責任を負っている」とし「現下の厳しい安全保障環境の下、国民の安全を守り抜くという厳然たる責任。核兵器のない世界という理想を見失うことなく、それを追い求め続ける責任」と述べた。岸田総理は「今日から一人一人が広島の市民として、一歩一歩、現実的な歩みを進めていきましょう」とアピールした。
また岸田総理はロシアによるウクライナ侵略に「世界のどこであれ、力による一方的な現状変更の試みは決して認められません。G7として、1日も早くウクライナに公正かつ永続的な平和をもたらすべく努力していく。また、ウクライナの復旧・復興には民間セクターの参画が不可欠、そして対ロシア制裁を維持・強化し効果を確かなものとするため、制裁の回避・迂回防止に向け取組みを強化していくことで一致した」とG7としての姿勢を示した。(編集担当:森高龍二)