岸田文雄総理はASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議、G20(金融・世界経済に関する首脳会合)ニューデリー・サミット出席後の記者会見で、東京電力福島第一原発事故で増え続ける放射性物質による汚染水のALPS処理水の海洋放出について「今回の一連の会合や二国間会談の場でASEAN及びG20諸国等に対し、日本の対応を改めてしっかり説明した」とした。
岸田総理は「これまでも多くの国から処理水放出のプロセスが安全で透明性の高いものであるとの評価をいただいているが、理解が一層広まったと感じている」と述べた。
また「中国の李強国務院総理には私から我が国の立場を改めて明確に述べた。日本としては引き続きIAEA(国際原子力機関)とも緊密に連携し、科学的根拠に基づき、高い透明性を持って、国際社会に丁寧に説明し理解を深めていく」と強調。
また中国のわが国水産物の輸入停止措置について、岸田総理は「二国間、多国間の機会を捉え、WTO(世界貿易機関)・RCEP(地域的な包括的経済連携)などの通商枠組みの場を活用し引き続き即時撤回を求めていく」と語った。
そのうえで「日中関係全般については日本として主張すべきは主張し、中国に対し責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含め、対話をしっかり重ね、共通の課題については協力する、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていくというのが一貫した方針」とした。(編集担当:森高龍二)