日本経済団体連合会の十倉雅和会長は6日までの記者会見で、東京電力福島第一原発事故で増え続ける放射性物質に汚染された水のALPS処理水の海洋放出に伴い、中国が日本産水産物の輸入や加工食品の製造・販売を禁止する措置をとっていることに「一刻も早く中国が措置を取り下げることを願っている」と語った。
また日本政府に対し「科学的な安全性を繰り返し丁寧に訴え、国際社会の理解と後押しを得ながら、根気強く中国との対話を続けてもらい」と求めた。
十倉会長は「わが国最大の貿易相手国であり、水産物の最大の輸出先である中国の措置は影響がかなり大きく、非常に憂慮している」とした。
そのうえで「日中平和友好条約締結45周年の節目の年を迎え、また中国人観光客のインバウンド消費が大いに期待される時期だけに一刻も早く中国が措置を取り下げることを願っている」と中国がとっている措置の撤廃を期待した。
また処理水の安全性について「政府には科学的な安全性の高さについて、国内外に丁寧に情報発信するとともに処理水の処分完了まで責任を持って対応する姿勢を示し、地元や国際社会の一層の安心の確保につなげていってほしい」と求めた。(編集担当:森高龍二)