岸田文雄総理は16日~18日にかけての日ASEAN友好協力50周年記念「日ASEAN特別首脳会議」開催に合わせ、カンボジア、インドネシア、タイ、ラオスなどASEAN各国の主要新聞に寄稿。各国国民に友好関係の絆・連携強化への思いなどを発信した。
このうち、カンボジアのクメール・タイムズ紙への寄稿では経済・貿易に関して「日本とASEANは互いに主要な貿易相手であり、カンボジアとの貿易額は2005年の総額約2.2億米ドルから22年には総額約22億ドルへと10倍に増加している。日本はASEANにとって米国に次ぐ第2の直接投資国であり、近年、日本からASEAN諸国に対し、毎年平均して約2.8兆円規模の直接投資がなされている」と経済でのつながりの深まりを記した。ASEANでの日本企業の事業所数は約1万5000を数えるとしている。
寄稿では「国際社会が歴史の転換点にある」とし「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序は重大な挑戦を受けている。また気候変動や格差、公衆衛生危機、デジタル化、AI(人工知能)ガバナンスなど複雑で複合的な課題に直面している。私は誰もが尊厳を持って生きられる平和で安定した世界、持続可能で繁栄した未来を『共創』するために、強固な『信頼』に基づき、これまで以上に緊密にASEANの皆様と協力していきたい」と呼びかけた。
また「記念すべき50周年の締め括りとして、ASEAN諸国の首脳をお迎えする特別首脳会議では過去半世紀の日ASEAN関係を総括し、将来のための新たなビジョンと具体的な協力を打ち出したい」と期待を述べた。
特に「包括的な人的交流プログラムや我々の経済・社会が共有する課題への解決策を共に創造するための新たな取組み、アジア・ゼロエミッション共同体構想の推進などの気候変動対策の取組み、産業面での協力などを提案したい」とした。(編集担当:森高龍二)