韓国の3大紙のひとつ、中央日報が8日「日本の陸上自衛隊第32普通科連隊が公式のエックス(✕)で、侵略戦争である太平洋戦争を美化する用語『大東亜戦争』を使ったことが確認された」と報じた。
同連隊が「大東亜戦争」との用語を使ったことは朝日新聞や共同通信なども報じている。陸上自衛隊第32普通科連隊のエックス(✕)4月5日アップでは「大東亜戦争最大の激戦地硫黄島において開催された日米硫黄島戦没者合同慰霊追悼顕彰式に旗衛隊として参加しました」と記され、8日14時36分現在も「太平洋戦争」に修正されることなく、そのままになっている。
敗戦時にGHQ(連合軍最高司令部)は公文書などに「大東亜戦争」という表現の使用を禁止。今も政府は公文書に使っていない。「大東亜戦争」は「欧米からアジアを開放する名目」で1941年12月に閣議決定した呼び名で、侵略戦争正当化にすり替えられた表現との指摘もある。
中央日報は記事の中で「大東亜戦争は日本が植民支配したアジア圏域などをひとつにした『大日本帝国』が西欧列強に相対して戦ったという認識を含んでいて、植民地支配と侵略戦争を正当化する意図を含んだ用語に分類されている」と伝えている。
林芳正官房長官は8日の記者会見で「(陸上自衛隊第32普通科連隊が大東亜戦争という表現をエックスで使用したことは)承知している」としたうえで「国会で政府として答弁してきたように『大東亜戦争』という用語は現在、一般に政府として公文書において使用しなくなっている。公文書でいかなる用語を使用するかは文脈等によるもので、一概に答えることは困難。現在、防衛省で事実関係を確認している。詳細は防衛省に尋ねてほしい」と政府としては公文書に使っていないと答えるにとどまった。(編集担当:森高龍二)