総務省は14日、太陽光発電システムからの不要電波の発射による無線通信への妨害が全国で多発しているとして、不要発射の発生の影響とその原因を理解し、妨害電波が発生しないよう注意するよう、対策を含めての対応を日本電気工業会や太陽光発電協会を通して関連機器メーカ、ハウスメーカー、工務店等に周知し、無線通信への影響を低減させる措置を検討するよう協力を要請した。
総務省によると約770m離れた太陽光発電所からの不要電波によって、漁業指導用の無線局に通信ノイズが入り受信できなくなったとか、防災行政無線等の人命に関わる無線通信が妨害をうけたなどの事例があり、不要電波を発している系統を特定し、EMIフィルタを挿入することで障害が解消したという。
このため、総務省は太陽光発電システムの導入者に対しては「不要電波の発射が弱い機種を選定するようにすることで妨害発生の可能性を抑えることができる。特に国際規格であるCISPR 11第6.2版以降の基準に適合したパワコンであれば不要電波の強度が一定値以下となることが確認されているため、妨害を発生させるおそれが低くなる」と提案。
また太陽光発電システム施工業者に対しては導入者への提案ともに「基準に適合していない機器を設置する場合でも、施工時にシールドケーブルを利用するなどの工夫をすることでも妨害を防ぐことが可能」とし「施工する機器製造者が提供する設置マニュアルやガイドラインにしたがって施工を行うことも重要」と呼びかけている。(編集担当:森高龍二)