企業団体献金の扱いについて与野党は今年度末までに結論を出すと年内での結論を先送りすることとなったが、日本経済団体連合会の十倉雅和会長は今月9日の記者会見で「個人献金が善で企業・団体献金は悪という考え方に経団連は与しない」との考えを述べた。
十倉会長は「政治資金は透明性の確保とルール遵守が重要。また政治にはなぜコストがかかるのか、という点について掘り下げた議論が必要」とし「政治資金規正法の再改正に向けて国会において喧々諤々の議論が行われることを期待する」とした。
ただ1993年の衆院「政治改革に関する調査特別委員会」で元最高裁判所長官の岡原昌男氏は(1)会社の利益につながらない献金は『株主に対する背任』、(2)見返りを要求するような献金は涜職(とくしょく・汚職)の罪になるおそれがある」と指摘している。
経団連は自民党の政策を毎年、要望や要請、今後の課題などとして経団連の視点で達成度などを「評価・検証」し、そのうえで会員企業に献金を呼びかけているところがある。
そもそもリクルート事件などを踏まえて、時の政府との癒着土壌をなくすため、企業団体献金を禁止する代わりに生まれた「政党交付金制度」(国民1人あたり250円換算で税金から交付金を捻出)の主旨と沿わない。政治改革の本丸は「政党交付金制度創設時の主旨に合わせ、企業団体献金全面禁止」にあることを我々国民が再認識することも必要といえよう。(編集担当:森高龍二)