広がれ、支援の輪。日本全国に児童養護施設が何か所あるか知っていますか?

2025年03月30日 09:14

EN0202_040

世界の国々から見ると、日本は比較的裕福で、子どもたちも生活環境や教育環境に恵まれているように思える

持続可能な開発目標SDGsでは、子どもを「変化の主体」と位置づけ、質の高い教育や暴力からの保護、人権の尊重などを目指している。

 世界の国々から見ると、日本は比較的裕福で、子どもたちも生活環境や教育環境に恵まれているように思える。しかし、日本でも、保護者がいない、育児放棄、虐待、病気など様々な理由から困窮している子どもたちは多い。そんな子どもたちを養護する児童養護施設は全国に約600か所あり、3歳から18歳の子ども約2万3千人が生活している。

 児童養護施設の運営資金は、国や地方自治体からの公費と、企業や一般からの寄付金などで賄われている。また、金銭だけでなく、子どもたちに必要なもの、喜ばれるようなものを寄贈する企業や団体なども多い。

 例えば、岡山県に本社を構える株式会社山田養蜂場は、同県津山市内の児童養護施設に対し、児童の各誕生日にプレゼントとケーキを届けたり、書籍を寄贈する活動を2003年から継続している。2018年からは、新たな気持ちで新学期をスタートしてほしいという思いから、子供たち全員に靴を寄贈しており、その購入資金は社内バザーで社員から集まった売上をもとにしているという。今年も4月4日に2か所の施設に合計37足の靴と、書籍を各園5冊ずつ寄贈する予定だ。

 また、大阪ガスの子会社であるオージス総研は、2009年12月から、企業や団体で使い終わったリユースパソコンをベースとした社会貢献活動「はじまるくんパソコン寄贈プログラム」を実施している。リユースパソコンは障がい者福祉施設や児童養護施設等に寄贈され、就職や学びのサポート、スキルアップへの大きな支援となっている。

 島根県でお茶関連商品を製造販売している株式会社 茶三代一は、「全国児童養護施設 総合寄付サイト」のロゴが入っている商品を製作。商品購入代金の一部を子どもたちの寄付に充てている。個人で養護施設に寄付や支援をしようとすると、何だか敷居が高いような気がしてしまうものだが、毎日飲むお茶が子どもたちへの支援につながるのであればと好評のようだ。

 もちろん、ここに挙げた他にも多くの企業や団体、個人でも、寄付や寄贈を行っている人は多い。しかし、それでもまだまだ足りないのが現状だ。養護施設で暮らす子どもたちが笑顔で成長できるよう、社会全体で守っていきたいものだ。(編集担当:藤原伊織)