日中韓の農業担当大臣が韓国で10日~11日に行った会合で、不安定な国際穀物市場・気候変動がもたらす食料供給の脅威等を認識し、食料供給の動向や政策を定期的に共有し、危機時に必要に応じ共同対応を協議することで一致した、とする「共同声明」が発表された。
声明では「水田の水管理、低メタン飼料、太陽光発電の農業利用に関する先進的な政策を情報交換し、気候変動への対応能力を強化すること」でも一致。
あわせて「スマート農業技術が高齢化や労働力不足の問題に対処する鍵であることを認識し、法制度を含む政策情報や優良事例の共有を含め、協力の機会を引き続き追及する」としている。
また畜産部門では「口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザ、アフリカ豚熱等の越境性動物疾病の蔓延に対抗し、畜産の持続的発展を目指す共通認識に基づき、既存の連携を強化するため三国間の首席獣医官(CVO)会合を定期開催する)ことでも一致した。
このほか「FAO、WOAH、IPPC、APEC、G20その他の関連する国際及び地域レベルでの三国間の協力を強化する必要性を再確認し、食料安全保障、動植物の疾病対策、気候変動、食料に関係する天然資源管理といった地球規模の課題に共同で対応することの重要性を認識。3か国は食料危機に対応するASEAN+3緊急米備蓄 (APTERR) に共同で貢献。ASEAN食料安全保障情報システム (AFSIS) の機能を強化する」としている。
農水省によると小泉進次郎農水大臣は「食料の純輸入国である日中韓3か国にとって安定的な輸入の確保等は重要であり、危機発生時に3か国が必要に応じ共同対応について協議することは意義ある」としたほか「国際的な日中韓の協力の象徴としてのウナギの資源管理について緊密に連携したい」旨などを発言した。(編集担当:森高龍二)