たかが軽、されど軽 そしてプレミアムな軽

2012年11月22日 11:00

 ホンダが新型軽自動車N‐ONEの受注状況を明らかにした。2012年11月1日に発売されたばかりの軽自動車・N-ONEは、わずか2週間足らずで1万5000台を受注。上々の滑り出しとなった。

 国内の自動車市場は、景気の低迷やエコカー補助金の終了などネガティブな要因が大きい。日本自動車販売協会連合会などがまとめた2012年10月の新車販売台数は、登録ベースで2カ月連続の減少。一方で全国軽自動車協会連合会によれば、軽自動車の販売台数は13カ月連続でプラス。両協会などがまとめた10月の車種別新車販売ランキングでも、普通車ではトヨタのアクアが初の1位になったことと、日産ノートが好調なことぐらいがトピックス。10位以内に6台の軽自動車がランキングされていて、普通車のエコカーを除けば、消費者は軽自動車に目を向けているのは明らかだ。

 しかし軽自動車には「パワーがない」「やかましい」「チープ」といったイメージが常につきまとうのも事実。各メーカーではそうしたマイナスイメージを払拭するべく開発が進められてきたが、ホンダの新型軽自動車N‐ONEは、「正解」のひとつだと消費者がとらえたのかもしれない。N-ONEにはスタンダードなクラスとN-ONEプレミアムの2系統、それぞれにエンジンはターボとノンターボが用意されている。価格はN‐ONEが115万円~154万7750円、N-ONEプレミアムが136万円~170万7750円という設定。けっして安くはないが、発売から2週間の受注状況ではプレミアムが47%を占め、ターボ付きモデルが3割を超えることから、軽自動車にも妥協しない消費者の意識がかいま見える。「安く」「小回りがきく」「便利」というだけが軽自動車に求められているわけではない。