2026年2月9日、自民党が単独316議席という歴史的な勝利を収めた背景には、高市首相が掲げる「強い経済」への期待がある。特に、食料やエネルギー、半導体といった戦略物資の国内生産を支援する「危機管理投資」への大規模な財政出動と税制優遇策は、多くの国内企業にとって強力な投資インセンティブとなっている。
■「10年単位の見通しの良さ」が呼び込む設備投資
高市首相は選挙期間中、「これまでの3年単位の支援では事業者は安心して投資できない。高市内閣では10年単位で国がコミットし、予見可能性を持たせる」と一貫して主張してきた。316議席という圧倒的な議席数は、こうした長期支援策が政治的混乱で頓挫するリスクを払拭し、民間企業が巨額投資に踏み切るための「最大の安心材料」となった。
すでに半導体分野では、地方への投資波及が顕著だ。宮城県富谷市では、日本ファインセラミックス(日揮ホールディングス子会社)が約100億円を投じ、EV(電気自動車)向け半導体基板の新工場を建設している。同工場は2025年春の一部稼働を経て、2026年春のフル稼働を目指しており、地域で約160人の新規雇用を創出する見込みだ。
■ 為替や情勢に左右されない「強い経済構造」へ
今回の政策が目指すのは、一時的な景気刺激ではなく、為替の変動や海外の地政学リスクに振り回されない「骨太な経済構造」への転換だ。これまで海外に依存しすぎていた重要物資の供給網を日本国内に引き戻す(国内回帰)ことで、外部環境の変化に強い、自律的な経済の構築を狙う。
パナソニックエナジーが次世代電池(全固体電池等)の国内生産体制を強化する動きを見せているように、製造業の「国内集中投資」へのシフトは明確だ。昨日のマーケット(2月9日)が日経平均2,110円高という歴史的な反応を示したのも、こうした「稼ぐ力」を日本国内に取り戻す政策の継続性と実行力に、国内外の投資家が強い確信を持った結果といえる。
今月末に発表が見込まれる「国内投資促進パッケージ」は、単なる資金支援にとどまらず、規制緩和や税制の抜本的な見直しを含む包括的なものになるとみられる。今回の議席数は、長期的な産業育成を可能にする一方で、公的資金が投じられる以上、その費用対効果や公正な市場競争の確保に向けた「厳格な検証」も国民から厳しく問われることになる。
2026年、日本が「投資先としての魅力」を確固たるものにするためには、政策の加速と同時に、透明性の高い評価制度をどう定着させられるかが焦点となるだろう。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













