防衛費増額に向けた財源確保策として、2026年4月から防衛特別法人税が開始される。これは各企業の法人税額に対し4パーセントを付加するもので、一定以上の利益を上げる企業にとって税負担の増大は避けられない見通しだ。一方で、このタイミングで注目されているのが、賃上げを行った企業の税負担を軽減する賃上げ促進税制との戦略的な組み合わせである。
■法人税の付加税導入と基礎控除の仕組み
今回の税制措置では、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、基準法人税額から500万円を控除した金額に対して課税が開始される。この500万円の基礎控除が設けられているため、中小企業への直接的な影響は一定程度抑えられる形となった。一方で、大企業や中堅企業にとっては実質的な税負担増となる見込みであり、企業経営においては、この新税制を前提とした中長期的な資金計画の策定が求められる局面に入っている。
■増税分を補完する賃上げの力学
この増税という局面を、自社の成長へと転換させる動きが経済界で広がっている。2026年度の税制改正により大企業向けの賃上げ促進税制が一部見直される一方で、企業が増税による負担を嫌って内部留保を溜め込むのではなく、積極的に給与を引き上げることで、賃上げ促進税制による税額控除を受ける動きだ。これにより防衛増税による負担を相殺、あるいは軽減させる効果が期待できる。
■成長の原動力に変える視点
2026年の春闘が近づく中、企業が直面しているのは単なるコスト増の回避ではない。人手不足が深刻化する中で、増税対象となるはずだった資金を戦略的に人へ投資することで、採用力の強化と生産性の向上を同時に狙う企業が増えていくだろう。防衛という国の基盤を支えるための負担を受け入れつつ、いかに自社の競争力を高める賃上げを加速させるか。この課題への対応が、2026年における経営判断の重要な指標のひとつとなるのではないか。
■負担を成長の原動力に変える視点
増税は企業にとってコスト増の側面を持つが、それを単なるマイナスとして捉えるか、あるいは制度を賢く活用して未来への投資に変換するかで、数年後の企業の姿は大きく変わる事が予想される。2026年4月という開始時期を機に、多くのビジネスパーソンが自社の税制活用と給与水準の関係に目を向けることは、日本経済全体の底上げに繋がる一歩になるかもしれない。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













