政府がインフレ鈍化の見通しを示す一方、スーパーの店頭価格は依然として家計を圧迫し続けています。統計には表れにくいステルス値上げや、物流業界のコスト増に伴う運送費の転嫁が遅れて波及しているためです。消費者の防衛本能はかつてないほど高まっており、公的データと生活実感の二重構造が鮮明になっています。
内閣府の経済見通しでは、2026年度の消費者物価の上昇率を約2.0%と予測していますが、家計の現場は異なります。総務省の最新消費者物価指数によると、購入頻度の高い食料(生鮮除く)は前年比4〜6%の伸びを維持しており、政府予測の2倍以上のペースで負担が増しています。特に物流2024年問題以降の運送費転嫁により、日用品や加工食品の価格は一段と底上げされ、統計上の安定とは程遠い状況です。
制度上の消費者物価指数は500品目以上の平均をとるマクロの指標ですが、生活への影響は代替が効かない必需品に集中します。卵や食用油、野菜などの価格高騰が止まらないことで、家計内のエンゲル係数が強制的に押し上げられ、結果として教育費や娯楽費を削らざるを得ない生活の質の低下を招いています。数字上の平穏が、庶民の我慢の上に成り立っている実態があります。
ニュースで流れる物価安定という言葉と、レジで支払う合計金額のギャップ。私たちが見ているのは統計のグラフではなく、日々の買い物カゴの重みです。数字が落ち着いたと言われても、一度上がった価格が元に戻るわけではありません。18日から始まる国会では、数字遊びではない生活者の現場感覚に基づいた物価対策が議論され、これ以上の生活圧迫を招くことのないよう実効性のある法案が審議されることを期待したいものです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













