今回のニュースのポイント
・4月単月の値上げは1000品目規模。1〜4月累計では3593品目に達し、昨秋以来の波に。
・マヨネーズ(卵・油高騰)、カップ麺(人件費・物流費転嫁)など加工食品が値上げの中心。
・153円台の円安による輸入コスト増に加え、企業の「賃上げ原資」確保に向けた改定が加速。
2026年4月の新年度開始を前に、家計を支える食品や公共料金の「再値上げ」の波が鮮明になっています。帝国データバンクの最新調査によると、2026年1月から4月までに値上げが予定されている食品は累計で3,593品目に達しました。4月単月でもマヨネーズや即席麺、飲料を中心に1,000品目規模の価格改定が集中しており、落ち着きを見せていた値上げの勢いが再び強まっています。
今回の値上げラッシュの特徴は、これまでの原材料高に加え、1ドル=153円台で高止まりする「円安」と、2026年春闘を受けた「労務費(人件費)」の価格転嫁が本格化している点にあります。これまでは小麦や油脂といった原料価格の上昇が主因でしたが、今春は従業員の賃上げを継続させるための原資確保を目的とした価格改定が目立ちます。
具体的には、大手マヨネーズメーカー各社が、原料となる卵や食用油の価格高騰に加え、人材確保のための処遇改善や物流費の上昇を理由に5〜10%程度の値上げを発表しています。また、カップ麺やスナック菓子などの加工食品においても、製造から配送までにかかる「人手」のコストを吸収するための改定が相次いでおり、生活に密着した品目での負担増が避けられない状況です。
生活者の視点で見れば、4月からは食卓の定番品が一斉に引き上げられるだけでなく、地域によっては電気・ガス料金の激変緩和措置の段階的縮小や、物流各社の運賃改定も重なります。こうした固定費と食費の両面での増大は、実質賃金の伸びを物価上昇が相殺する形となり、1世帯あたりの月間支出は数千円単位で増加するとの試算も出ています。
この事態に対し、市場関係者からは「企業が利益を確保し、それが適切に賃上げとして従業員に還元される『経済の好循環』への一歩として、適正な価格転嫁は避けて通れない」との分析が聞かれます。デフレ脱却を確実にするための必要なプロセスという見方です。 一方で、消費者団体や子育て世帯からは「春闘で賃金が上がったとしても、それを上回る速度で物価が上昇すれば生活防衛は限界だ」と訴える声が根強く、購買意欲の減退を危惧する指摘も相次いでいます。
今後の焦点は、4月の新価格体系が消費者に受け入れられるか、あるいは「買い控え」による消費の冷え込みを招くかという点に集約されます。2026年度の日本経済が内需主導の成長を実現できるかどうかは、この「賃上げ」と「物価」の追いかけっこが、国民の生活実感としてどう結着するかにかかっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













