1月の新設住宅着工、持家が1.7万戸超でプラス転換 資産効果と賃上げ期待が「マイホーム」需要を後押し

2026年02月27日 19:16

画・1都3県、6月のテレワーク実施率40%で上昇傾向。消費マインドは昨年超えまで回復。

持家着工が10か月ぶり増加 1月の新設住宅、マンション大幅減も注文住宅に回復の兆し

今回のニュースのポイント

・総戸数:6万2,929戸(前年同月比0.1%減)。前年並みを維持し、減少幅が縮小。

・持家(注文住宅):1万7,942戸(同2.9%増)。10か月ぶりのプラス転換で、長引く低迷から脱却の兆し。

・背景:日経平均5万8,000円超による資産価値上昇(アセット・エフェクト)が、建築コスト増を上回る取得意欲を創出。

 国土交通省が2026年2月27日に発表した「令和8年1月分 建築着工統計調査報告」によると、新設住宅着工の総戸数は6万2,929戸(前年同月比0.1%減)となりました。マンション供給の端境期にあたり全体では3か月連続のマイナスとなりましたが、減少幅は前月から大きく縮小。特に市場の基調を左右する「持家」が10か月ぶりに増加に転じるなど、内需の底打ちを示唆する結果となりました。

 今回の統計で最も注目されるのは、個人が建築を依頼する注文住宅(持家)の動向です。持家は1万7,942戸と前年同月から2.9%増加しました。2025年4月から施行された建築基準法改正に伴う設計・施工コストの上昇や、長期化する建築資材の高止まりにより、昨年は極めて厳しい低迷が続いていました。しかし、2026年に入り、日経平均株価が5万8,000円を超える歴史的な水準で推移していることによる「資産効果(保有資産の値上がりによる消費拡大)」が、高価格帯の住宅取得層を中心に、建築コスト増を吸収する形で需要を押し上げているとの指摘が出ています。

 一方で、分譲住宅の分野では依然として「明暗」が分かれています。分譲一戸建は1万123戸(同8.8%増)と4か月連続で増加しており、実需の強さがうかがえます。対照的に分譲マンションは6,801戸(同18.6%減)と、2か月連続の二桁減少を記録しました。ただし、マンション着工は大規模物件の着工タイミングによる変動が大きく、供給計画の一時的な谷間にあるとの見方が有力です。

 また、賃貸市場(貸家)は2万4,032戸(同1.5%減)となり、3か月連続のマイナスとなりました。都市部での賃貸需要は堅調なものの、建設費の上昇が投資利回りを圧迫しており、オーナー側が新規着工に慎重な姿勢を崩していない実態が浮き彫りになっています。

 今後の課題は、この持家の回復が持続するかどうかです。3月の春闘回答による大幅な賃上げの実現や、それを受けた日本銀行の金融政策の行方が、住宅ローンの固定金利にどう反映されるかが焦点となります。歴史的な株高を背景とした「強気なマインド」が、実体経済の柱である住宅投資をどこまで継続的に牽引できるか、2026年度の内需動向を占う重要な試金石となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)