今回のニュースのポイント
・「見えない資産」の凍結:GOODREIによる「2025年相続実態調査」によれば、デジタル資産が相続対象となるケースは73.3%に及ぶ。一方でID・パスワード不明により、遺族が引き出せない「凍結資産」が急増。
・負債化するアカウント:解約できないサブスクリプションが死後も課金され続ける、あるいは放置されたSNSアカウントの乗っ取り被害など、負の遺産化するデータリスク。
・生前対策の重要性:プラットフォーマー側のプライバシー保護と遺族のアクセス権の対立は続いており、現状では個人の「アクセス情報の継承」が唯一の防衛策。
かつて遺品整理といえば、部屋の片付けを指しました。しかし、2026年の現在、最も困難で切実な遺品は、故人のスマートフォンの中に閉じ込められた「デジタル遺産」です。
GOODREIの「2025年相続実態調査」によれば、デジタル資産を相続する可能性があるケースは全体の73.3%に達しています。その一方で、ネット銀行の残高やスマホ決済のポイント、暗号資産といった実質的な「資産」が、ログイン情報の消失によって事実上凍結されるケースが多発。また、死後も自動更新され続けるサブスクリプションや、放置されたSNSアカウントのなりすまし被害など、デジタル遺産は対策を怠れば遺族にとっての「負債」へと変わり果てます。
利害の構造を見ると、利用規約によってプライバシー保護を優先し、安易なアクセスを拒むプラットフォーマー側(得:法的リスクの回避)と、正当な権利行使としての相続を求める遺族(損:資産の損失と手続きの長期化)という対立が鮮明です。現在の法制度では、ID・パスワードの共有がない限り、遺族がアカウントを操作するハードルは極めて高く、各社の対応も統一されていません。
2026年、デジタルな豊かさを享受する代償として、私たちは「自らの情報の終わり」をデザインする責任を負っています。エンディングノートへのログイン情報の記載や、各社が提供し始めた「死後通知機能」の活用。画面の向こう側に積み上がった情報を「墓場」にしないために、いま、生前からのデジタル終活が、現代社会の必須技能となりつつあります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













