今回のニュースのポイント
東北電力の2026年3月期決算は、純利益が前年比53.5%減の849億円となりました。女川原発2号機の再稼働で原子力発電量は2.3倍に増えましたが、中東情勢の悪化に伴う燃料・市場価格の急騰や、送配電事業の赤字転落が響き利益が半減しました。来期予想は中東リスクにより未定ですが、年間配当は5円増配の40円を予定しています。
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東北電力が発表した2026年3月期決算は、女川原子力発電所2号機の再稼働が収益改善に寄与した一方で、国際情勢の変化による影響を受ける内容となりました。当期の売上高は、小売販売電力量の減少などにより2兆3,724億円(前期比10.3%減)、親会社株主に帰属する純利益は849億円(同53.5%減)となりました。経常利益も1,264億円と前期から50.8%減少しており、燃料・市場価格の変動が損益に大きく跳ね返る収益構造が浮き彫りになりました。
女川2号機の再稼働により、原子力発電電力量は51億9,900万kWhと前期比229.4%増を記録し、火力依存度の低下に寄与しました。このように原子力発電量が約2.3倍に増えたにもかかわらず、純利益が半減した背景には、市場や販売環境の変化に伴う収支悪化に加え、中東情勢の悪化に伴う燃料価格・電力市場価格の急騰による電力先渡取引等の時価評価損、さらに送配電事業の赤字転落が重なったことがあります。特に送配電事業は、需給調整費用の増加などから10億円の経常損失(前期は203億円の黒字)を計上しました。
販売面では、競争激化による契約切り替えや産業用需要の減少から、小売販売電力量は前期比4.4%減の582億kWhとなりました。一方で相対卸売などの増加により卸売販売電力量は20.5%増と伸びており、全体販売量を維持する構図となっています。地域内の小売需要に加えて、市場・卸売のウエイトが高まりつつある現状が示されました。
財務面では、自己資本比率が19.4%(前期末比1.1ポイント増)と着実な回復を見せています。これを受け、年間配当は前期から5円増配の40円(中間20円・期末20円)とする方針です。
今後の大きなリスク要因として、業績予想を「未定」とせざるを得ないほど、中東情勢の悪化に伴う燃料価格等の動向が不透明であることが挙げられます。原発再稼働だけでは市場価格や燃料高の影響を吸収しきれない電力事業の構造が、改めて示された形です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













