関西電力、純利益3800億円 原発活用が支える“脱炭素時代”の電力戦略

2026年05月10日 11:56

今回のニュースのポイント

関西電力の2026年3月期決算は、親会社株主に帰属する当期純利益が3,800億円となりました。原子力発電の高い稼働実績(利用率84.1%)や燃料費低下が利益を支えた一方、2027年3月期は原発利用率の低下見込みなどから営業利益2,500億円と前期比でおおよそ43%の減益を見込んでいます。通信や不動産等の非電力事業も増益に寄与。デジタル化の進展で電力需要増が見込まれる中、原発と再エネを軸にした戦略を推進し、年間配当は80円に増配予定です。

本文

 関西電力が発表した2026年3月期決算は、脱炭素社会に向けた電源構成の強みと、事業多角化による収益基盤の厚みを示す内容となりました。当期の親会社株主に帰属する当期純利益は3,800億円を確保しました。

 収益を支えたのは、原子力発電の高い稼働実績です。当期の設備利用率は84.1%と、安定運転が続いたことが収益拡大に大きく貢献しました。燃料価格の下落や他社購入電力料の減少も追い風となり、営業利益は4,375億円を計上。売上高に対する営業利益率は約11%と、電力大手の中でも高水準の利益率となりました。

 また、同社が推進する多角化戦略も進展しています。光回線「eo光」などを展開する情報通信事業が470億円、不動産や医療・ヘルスケアを手がける生活・ビジネスソリューション事業が390億円の経常利益を計上しました。これら非電力分野が新たな収益の柱となっているほか、送配電ネットワークや小売事業と組み合わせることで、総合インフラ企業としての事業構成が強まりつつあります。

 一方、次期(2027年3月期)については、定期検査に伴う原子力利用率の低下(70%程度)や燃料市況の上昇、円安の継続を慎重に見込み、営業利益は2,500億円(前期比42.9%減)と大幅な減益を予想しています。原発の稼働状況が、営業利益を大きく押し上げたり押し下げたりする構造自体は依然として変わっていません。

 財務面では、自己資本比率が35.1%まで改善し、有利子負債も減少するなど健全化が進行しています。これに基づき、株主還元も強化しており、2026年度の年間配当は前期実績(75円)から5円増の80円を予定しています。デジタル化の進展でデータセンターなどの電力需要増が見込まれる中、同社は原発、再エネ、次世代送配電を軸とした成長投資と株主還元の両立を進める方針です。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)