タワー集光型太陽光発電に成功 2年後に商用化

2011年08月05日 11:00

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同社横浜本社構内に設けられたタワー式集光設備とヘリオスタット(同社発表資料による)

 JFEエンジニアリングは4日、タワー集光型太陽光発電システムの開発に成功し、実用化にメドがたった、と発表した。2013年度中の商用化をめざす。発電効率は世界最高レベルになるとしている。

 JFEエンジニアリングは環境省の「平成22年度地球温暖化対策技術開発などの事業」の集光型太陽光発電に関する技術開発に関する委託事業をエネルギー総合工学研究所らと協力受託して開発に取り組んできた。

 その結果、高倍率集光技術やレシーバーの水冷式冷却技術を開発。これら技術をいかし、ヘリオスタット(太陽追尾式ミラー)を用いて太陽光を高さ20mのタワー上部に設置したレシーバー(二次集光機能付き多接合型太陽電池セル)に集光し、直接発電させることにした。

 同社によると30基のヘリオスタットで行った実証試験で集光倍率は700倍、太陽電池モジュール(太陽電池セルを組み合わせたもの)1基で、最大26%の発電端効率を実現できたとしている。

 同社の従来型の太陽光発電システムと比較して発電端効率は2倍以上、セルの単位面積当りでは約1400倍の発電量を得ることができたという。
(編集担当:福角忠夫)