ハイビジョン高画質を維持可能な電子透かし開発を三菱とNHKが発表

2011年07月21日 11:00

 三菱電機と日本放送協会(以下:NHK)は19日、高画質のハイビジョン映像のまま、高速で映像関連情報を埋め込み、読み出す技術の開発に成功したことを発表した。両社は、映像の情報管理や著作権保護に役立つ「電子透かし」技術(人の目にはわからないわずかな変化で映像信号に情報を埋め込む技術)の開発を進めている。

 これまでの「電子透かし」は、圧縮した映像を対象として埋め込み処理を行っており、放送用の高画質映像には利用ができず、映像情報として十分な情報量のデータを高速で埋め込むことが困難であった。しかし、今回新たに開発した技術では、分割処理による埋め込みアルゴリズムを採用することによって画質劣化を抑えながら十分な量の情報を短時間で埋め込むことに成功。また、新しい映像処理技術によって、数秒程度の短い映像からでも埋め込まれた情報を取り出すことが可能になった。

 このたび開発された「電子透かし」技術には、画質劣化が少なく、放送番組の撮影から、編集、送出までのすべての課程で、一貫した情報管理ができることや、様々な圧縮方式に加え、サイズ縮小やアナログ変換された映像からの検出が可能で、さまざまな分野での著作権保護に利用できること。さらに、汎用的なライブラリ形式のソフトウェアで作成されているため、さまざまな分野での映像機器に利用できることなどの特長がある。

 今回の発表にて両社は、今後も映像に関する「電子透かし」の技術開発を推進していくことを伝えている。