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三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は26日、富裕層向け会員組織「エムット Excellent Club」を2027年3月に立ち上げると発表しました。見込まれる会員数は75万人以上、預かり残高は50兆円以上となります。この規模は三菱UFJ銀行の個人顧客全体のわずか2%にとどまる一方、保有する預かり残高は個人顧客全体の約5割を占めます。国内金利が上昇するなか、MUFGは預かり資産残高の維持・拡大と次世代への資産承継を取り込む戦略を鮮明にしています。
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三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は26日、富裕層向け会員組織「エムット Excellent Club」を2027年3月にリリースすると発表しました。
新組織の対象として見込まれる会員数は75万人以上、会員が保有する預かり残高は50兆円以上となります。これは三菱UFJ銀行の個人顧客全体において、顧客数ベースではわずか2%にとどまるものの、預かり残高ベースでは全体の約5割を占める規模です。個人顧客のごく一部に、銀行が預かる資産の大きな割合が集中している構図が浮かび上がります。なお、この比率はあくまで同行の顧客基盤における集計であり、日本全体の資産分布を示すものではありません。
入会金・年会費は無料です。本人会員の入会資格は、三菱UFJ銀行における預かり金融資産残高が3,000万円以上、または資産運用残高が1,000万円以上と設定されています。条件を満たす顧客に対して銀行側から順次招待するほか、顧客自身による申し込みにも対応します。預かり金融資産だけでなく、資産運用残高を基準とした入会資格も設けているのが特徴です。
大手銀行が今、富裕層の「預かり残高」に照準を合わせる背景には、国内の金利環境の変化があります。国内金利が上昇するなか、MUFGは「国内金利の上昇を背景に、預金をはじめとする預かり資産残高の重要性が増している」と明記しています。超低金利時代から金利正常化へと移る局面において、顧客から預かった資産ストックをいかに維持・拡大し、次世代につなげていくかがリテール戦略上の重要なテーマとなっています。
この富裕層戦略を象徴する取り組みの一つが、2027年度上期に投入予定の会員限定クレジットカード「エムット Excellent Club カード プラチナ」です。年会費が永年無料であることに加え、三菱UFJ銀行への預かり残高に応じてポイント還元率が上昇する仕組み(特許出願中)を採用します。預かり残高3,000万円以上の場合で1.0%、最大1.6%還元と業界最高水準を設定する予定としており、「どれだけ資産を預けているか」を還元率に反映する設計で、預かり残高を基軸とする今回の富裕層戦略を象徴する仕組みといえます。
さらに、グループの総合力を生かし、預かり資産の維持・拡大につなげる体制も整えます。会員向けには、最高水準の預金金利優遇や各種ローンの金利優遇を提供するほか、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の専門家や外部税理士法人がリモートで相談に応じる「エムット Excellent Brains」を開設します。預金や資産運用だけでなく、不動産、税務、相続まで一気通貫でサポートすることで、預金から運用、不動産、相続を経て次世代に至るまで、グループとの接点を維持する設計です。
また、スポーツイベントのVIP席招待や美術館の貸し切りといった非金融面の体験価値、リロクラブとの提携による全国20万種の優待なども用意します。金利や手数料といった条件面だけでなく、日常生活での付加価値を提供することで顧客との結びつきを深める狙いです。
今回の取り組みは、現世代の富裕層獲得にとどまりません。会員の配偶者や3親等以内を家族会員として網羅するほか、本人死亡後も1年間は家族が会員資格を継続できる仕組みを設けています。富裕層本人との取引だけでなく、資産承継後も家族との接点を維持し、預かり資産を次世代につなげることを意識した長期的な顧客戦略といえます。
MUFGは今後、本サービスを三菱UFJ銀行単体からグループ全体へ順次拡大する方針です。次年度以降は判定基準をグループ合算の預かり残高へ変更するほか、2028年度までに「三菱UFJ信託銀行 エクセレント倶楽部」を段階的に統合・再編します。銀行・信託・証券に分散していた富裕層との接点を一つのプラットフォームへ集約する動きが進みます。
長年続いた超低金利環境が変化するなか、銀行にとって預金を含む顧客資産の重要性は改めて高まっています。MUFGが今回示した「75万人・50兆円」という規模は、その競争がどこに向かうのかを象徴する数字でもあります。
個人顧客の2%に相当する会員が、預かり残高では約5割を占める顧客構造のなか、MUFGは金融商品の優遇だけでなく、カード、相続、非金融サービス、さらに家族まで含めた接点を構築します。金利上昇の環境下で、富裕層の50兆円をどう維持し、次世代につなぐのか。大手銀行のリテール戦略は新たな局面に入りつつあります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













