日本経済、26年度0.8%成長へ SMBC日興、日銀は来年6月まで3回利上げ予想

2026年08月25日 07:32

画・1都3県、6月のテレワーク実施率40%で上昇傾向。消費マインドは昨年超えまで回復。

SMBC日興証券は2026年度の実質GDP成長率を0.8%増と予測。2026年度後半から景気が徐々に持ち直す一方、日銀は2027年6月までに計3回の利上げを行うとみている。(資料写真)

今回のニュースのポイント

SMBC日興証券は2026~2027年度の日本経済見通しを改定し、実質GDP成長率を2026年度が前年度比0.8%増、2027年度が1.1%増と予測しました。26年度は原油輸入減少による成長率へのプラス寄与を反映し、前回6月予想から0.1ポイント上方修正しました。足元では原油高や円安に伴う高インフレが個人消費や設備投資に影響する一方、中期的には賃上げやインフレ鈍化、官民連携投資、AI関連需要などが景気を支えるとみています。また日銀については、2026年9月、2027年1月、6月の計3回の利上げを予想し、政策金利は1.75%に到達した後、打ち止めになるとの見通しを示しています。

本文
 SMBC日興証券は20日、2026年4~6月期GDP1次速報を受けて日本経済見通しを改定し、発表しました。実質GDP成長率は2025年度を前年度比0.9%増、2026年度を0.8%増、2027年度を1.1%増と予測しています。2026年度の実質GDP成長率は、原油輸入減少による成長率へのプラス寄与を反映し、前回6月時点の予想から0.1ポイント上方修正しました。名目GDP成長率は2025年度が4.3%増、2026年度が2.8%増、2027年度が3.0%増を見込んでいます。

 足元の経済状況について同社は、2026年4~6月期の実質GDP(1次速報値)が前期比年率1.1%増と3四半期連続のプラス成長を維持したものの、市場予想(年率2.0%増)を大きく下回った点を指摘しています。中東情勢悪化に伴う原油輸入減少による押し上げ効果が大きく「中身は芳しくない」と評価しました。実際、同期間の民間最終消費支出は前期比マイナス0.1%、民間企業設備投資はマイナス1.2%にとどまりました。原油高や円安に伴う高インフレが影響し、国内需要は伸び悩む形となっています。

 続く2026年7~9月期の実質GDPは前期比年率0.6%増を見込みます。原油輸入の増加によって外需がマイナス寄与となる一方、設備投資の持ち直しや民間在庫の増加によってプラス成長を維持する見通しです。

 一方、2026年度後半から2027年度にかけては、景気が徐々に持ち直すシナリオを描いています。四半期ベースの実質GDP成長率(前期比)は、2026年10~12月期の0.1%増から2027年1~3月期に0.2%増、4~6月期および7~9月期にはそれぞれ0.4%増へと拡大する見込みです。背景として、高い賃上げ率の継続や消費税引き下げ、インフレの鈍化、高市政権による官民連携投資の推進、AI関連需要の力強さが挙げられており、これらが消費、設備投資、輸出の追い風になると分析しています。

 物価動向については、消費者物価指数(コアCPI)の前年比を、2025年度が2.9%増、2026年度が2.5%増、2027年度が2.5%増と予測しています。インフレ率は2025年度から鈍化するものの、日銀が目標とする2%を上回る水準が続く見通しです。

 物価動向と景気見通しを踏まえ、同社は日銀による金融政策の正常化ペースが加速すると予想しています。8月に公表された7月金融政策決定会合の「主な意見」について、同社は、大半の委員が景気に関して楽観的で、物価の上振れリスクを警戒し、政策金利の引き上げに前向きな意見を示しているとみています。来年7月まで政策委員の交代がなく、利上げに前向きとみられる委員が多数派の状況が続くことも予想の背景にあります。

 これらを踏まえ、利上げによる国内経済の著しい変調がない限り、同社は日銀が2026年9月、2027年1月、2027年6月に計3回の利上げを行い、政策金利が1.75%に到達した後に打ち止めになると予想しています。日銀が推計する中立金利(1.1~2.5%、中間値1.8%)の水準を意識した見解です。

 足元の高インフレや外需のブレによる一時的な停滞期を脱し、2026年度後半から景気の持ち直しを実現できるか。そして、その過程で進められる政策金利1.75%までの利上げを日本経済が無理なく吸収できるかが、今後の持続的な成長に向けた課題となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)