熊本地震、政府が1478億円の追加支援 事業再建・宿泊割引・雇用維持も

2026年08月28日 06:27

首相官邸

令和8年熊本地震の被災者支援などについて議論する非常災害対策本部会議に出席した高市早苗首相。政府は生活・なりわいの再建や災害復旧に向け、1478億円の予備費を追加で使用する方針を示した(写真:首相官邸ホームページより)

今回のニュースのポイント

政府は27日、非常災害対策本部会議を開催し、令和8年熊本地震を受けた「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」を取りまとめました。生活の再建、なりわいの再建、災害復旧の3つを柱とし、実施に必要な1478億円の予備費使用を28日に閣議決定します。事業者の施設・設備復旧にとどまらず、多重被災により既往債務を抱える事業者への支援、観光需要を喚起する宿泊料金の割引、雇用調整助成金の特例措置などを包括的に盛り込んだ内容です。

本文
 政府は27日、官邸で「第13回 令和8年熊本地震非常災害対策本部会議」を開き、被災者の生活となりわいの再建を目的とした「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」を取りまとめました。政府は発災直後の8月4日に災害対応を強化するため242億円の予備費使用を決定しており、今回は支援パッケージの実施に向け、1478億円の予備費を追加で使用することを28日に閣議決定します。本パッケージは「生活の再建」「なりわいの再建」「災害復旧」の3つの柱で構成されています。

 生活再建の分野では、厳しい猛暑下で避難生活が長期化している現状を踏まえた施策が盛り込まれました。生活環境を整えた上で被災者を受け入れる「拠点避難所」の環境整備を進めるほか、半壊家屋も含めた解体・撤去への支援を実施します。さらに、指定避難所に滞在する被災者だけでなく、車中泊や在宅で避難生活を送る被災者も含め、見守りや相談支援を実施します。

 経済や雇用の再建に向けた「なりわいの再建」では、各種の事業者支援を実施します。事業者の施設や設備の復旧に向けては、「自治体連携型補助金」などの対象事業者を拡充し、「なりわい再建支援補助金」並みの高い補助率を適用して支援します。今回の被災地は、2016年(平成28年)の熊本地震、2020年(令和2年)7月豪雨、2025年(令和7年)の大雨に続き、今般の地震に見舞われたことで言わば「四重苦」の状況に置かれています。こうした事情に配慮し、多重被災により既往債務を抱える事業者への支援も盛り込みました。

 また、農業分野では共同利用施設の再編集約や合理化、農機具・施設の再取得や修繕を支援します。地域経済を支える観光分野では、観光需要を喚起するため宿泊料金などの割引支援を実施するほか、雇用の維持に向けて「雇用調整助成金」の特例措置を講じます。

 「災害復旧」の分野では、道路や河川といった公共土木施設などの復旧事業において国庫補助率の嵩上げを行うほか、上下水道の早期復旧を推進します。さらに、個人の井戸の復旧について「災害救助費」などを活用した新たな支援枠組みを設けます。交通インフラを巡っては、九州新幹線が9月18日から全線で運転を再開するとの発表があったことも明らかにされました。

 今回の支援パッケージは、インフラの復旧にとどまらず、多重被災により既往債務を抱える事業者への支援や雇用維持、さらには観光需要の喚起に至るまで、地域経済の基盤を総合的に下支えする施策で構成されています。政府は自治体と連携し、支援策が被災者に確実に届くよう情報発信を進める方針です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)