日立・ファナック、工場でフィジカルAI実証 2027年度から共同展開

2026年10月01日 17:43

ロボット生産ラインイメージ

産業用ロボットを活用した製造現場のイメージ。日立製作所とファナックは、日立グループの工場を「カスタマーゼロ」としてフィジカルAIの共同実証を進め、2027年度から顧客への共同展開を開始する計画(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

日立製作所とファナックは9月30日、フィジカルAI実装の共同事業化に向けた戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。日立のAI技術と、AI技術を搭載したファナックの産業用ロボットを組み合わせ、まず日立の茨城地区の工場を「カスタマーゼロ」として実製造現場で検証します。2027年度までに実製造環境への展開に必要なフィジカルAI技術の確立を目指し、2027年度から顧客への共同展開を開始する計画です。

本文
 日立製作所とファナックは9月30日、工場をはじめとする製造現場や各種産業分野へのフィジカルAI実装に向けて、共同事業化を目指す戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。今回の提携では、日立のAI技術と、ファナックのロボット技術・AI技術を組み合わせ、複雑な製造現場に対応するフィジカルAI技術の確立を目指します。両社はそれぞれの強みを融合させ、2027年度までに実製造環境への展開に必要なフィジカルAI技術の確立を目指すとともに、2027年度から日本国内およびグローバルの顧客に向けた共同展開を開始する計画を掲げています。

 共同実証ではまず、日立の茨城地区にある工場を「カスタマーゼロ」として活用します。両社は日立グループの工場を自ら先行導入する「カスタマーゼロ」と位置付け、AIに生産活動における現場固有のルールを継続的に学習させていきます。模倣学習や仮想空間(デジタルツイン)でのシミュレーションのみでは成し遂げられない現場の課題に対し、柔軟かつ正確に対応できるフィジカルAIの実用化に向けて、実際の製造環境における共同実証を進めていく方針です。

 共同実証においては、製造現場における具体的な作業課題の自動化に向けた各種の検証が行われます。具体的には、さまざまな形状の部品のピッキング作業や、生産する製品の変更に伴って発生するラインの段取り替え作業などが主な検証対象となります。実際の作業プロセスを通じて、認識精度やロボットの動作、タクトタイム、品質の有効性などを検証し、改善していきます。

 あわせて、日立が開発したエッジAI半導体とファナックの産業用ロボットを組み合わせ、その有効性についても検証します。

 両社は、共同実証で得られるフィジカルAIの実装・運用ノウハウを生かし、2027年度からの顧客向け共同展開へつなげていく計画です。共同展開の対象分野としては、半導体、医薬品・ヘルスケア、高機能材料、自動車、物流、食品、造船、農業といった幅広い産業分野が挙げられています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)