誰にでも起こりうる「肌粗しょう現象」とは!?

2011年06月06日 11:00

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6歳と75歳の肌の断面を比較すると、表皮細胞層と真皮層の厚みや密度に大きな違いがあることが分かる。75歳の肌では肌粗しょう現象が起きている。

 骨粗しょう症ならぬ、「肌粗しょう現象」というものをご存知だろうか。骨粗しょう症とは、加齢やホルモンの低下、カルシウム不足などが原因で骨の中がスカスカの状態となり、骨がもろくなる病気のことだが、「肌粗しょう現象」とは老化した肌の内部がスカスカ・ペラペラ状態(皮膚ひ薄化)になり、これに起因してたるみやハリ低下等の肌老化を引き起こしやすくなる、総合的老化現象のことをいう。

 実際に6歳と75歳の肌細胞では、表皮細胞層の厚みや、真皮の構造に違いがみられ、75歳の肌内部は、まさに”スカスカ”になっているのが見てとれる。これは、年齢とともに、肌の弾力を作り出す真皮層のコラーゲンやエラスチンの量が減少し、弾力を支えるバネの構造がもろくなってしまうことや、肌細胞を作り出す力が衰えた結果、生きた細胞層が薄くなっていく(ひ薄化)こと等が原因となって起こる現象と考えられる。

 この「肌粗しょう現象」は誰にでも起こりうるというのだから恐ろしい。「近頃肌にハリがなく、頼りないやわらかさを感じる」「皮膚を引っ張るとシワっぽさがなかなか戻らない」という人は要注意。この「肌粗しょう現象」が深刻化すると、肌のたるみ、ハリの低下など、様々な肌悩みに繋がっていく。対策としては、表面の保湿だけでなく、肌内部の細胞1つ1つにまでアプローチする事が必要だ。

 5月27日に行われた第11回日本抗加齢医学会で、ロート製薬が新たなアンチエイジング成分「PQQ」(ピロロキノリンキノン)の、外用剤としての肌への効果を世界で初めて発表している。このアンチエイジング成分「PQQ」は、記憶改善効果から米国ではサプリメントとして販売されており、外用剤としても様々な作用・効果の可能性が期待されているという。

 発表内容としてはまず、「肌粗しょう現象」の1つ「皮膚ひ薄化」に対する優れた抑制効果が確認されたとしている。つまり、肌のたるみやハリ低下を抑制する効果があると期待できる。さらに、肌の弾力性に関わるコラーゲン、エラスチンなどを生み出す細胞の増殖や、コラーゲン、エラスチン自体を増やす効果、また細胞のエネルギー活性化(細胞増殖)等の作用も確認されており、「肌粗しょう現象」に対するさらなる効果も期待できる。

 同社は今後も、「肌粗しょう現象」における研究や「PQQ」の効果実証をさらに進めていくという。