震災による倒産企業、今後も増加傾向

2011年05月16日 11:00

 帝国データバンクは第二回目となる東日本大震災関連倒産の動向調査を発表した。

 東日本大震災により倒産した企業は5月11日の時点で87社、負債総額は527億8600万円であることが判明。これまで1日あたり1.4社のペースで倒産しており、今月には100社を突破する勢いで、地震発生から約4ヵ月半で100社を突破した阪神大震災の約2倍の速さであるといえる。主な倒産パターンは直接被害型が12社、残りの75社が間接被害型であり、間接被害型のうち24社が消費自粛のあおりを受けたものとされている。そのため、合計19社が倒産した岩手、宮城、福島の東北3県に加え、北海道、北陸、中部が各8社、近畿5社、四国1社、九州9社と直接被害を受けた地域以外にも被害は及んでいるようだ。また、現時点では、12社が倒産したホテルや旅館を中心に、外食、広告・イベント、アパレルなど消費自粛の影響を受けやすい業種が目立ったが、今後は、ゴールデンウィークに十分な集客ができなかった観光・レジャー業界に影響が及ぶと考えられる。さらに、夏の電力不足と部品供給難が自動車業界に与える影響も懸念され、関連企業の倒産が多発する恐れもあるという。

 消費自粛の動きが緩和してきたとはいえ、震災直後の影響が大きく響いているようだ。今後は今まで影響の少なかった業界にも及ぶことを考えられ、当面は油断できない状況であるといえるだろう。