被災者に向けた採用特別枠、各社で設定

2011年04月27日 11:00

 SGホールディングスは、佐川急便による石巻市近郊の被災者100名の採用を中心に、グループ全社において被災者を優先に年間で約2500名を採用する計画を発表した。

 佐川急便の現地採用人数は100名。震災により今春の採用取消しに合った石巻市近郊の新卒者、震災の影響を受けた休職者を対象に、臨時社員として採用する。主な業務内容は、近郊住民仮設住宅への簡易引越し作業や、自治体と連携したボランティア活動。12月20日までを期間とするが、その後の正社員登用制度も設けるという。また、グループ会社では、全国の佐川急便でドライバー職、サービスセンター職など、佐川引越センターでドライバー職、ワールドサプライでドライバー職、庫内作業職、事務職など、佐川グローバルロジスティックスで総合職、物流加工職など全7社での採用計画を立てており、被災者を優先的に雇用するという。

 また、JR東日本では、延期していた2012年度の新卒採用の全ての選考を6月より再開する。それに伴い、当初1700名程度としていた採用計画を、青森、岩手、宮城、福島および茨城県等の被災者や、震災の影響により内定取消しを受けた人を対象に100名の採用枠を増やし、全体で1800名程度とすると発表。さらに、仙台支社、森岡支社、水戸支社などの被災地エリアでは6月に加え7月にも選考を行う。

 延期していた新卒の採用試験が徐々に再開されつつある。震災により、内定や職を失った被災者への支援として、優先的に採用する企業も増え、被災者の今後の生活基盤の安定化が望まれる。
(編集担当:山下紗季)