2011年は、日照時間が長く、スギの花芽が多く形成されるという条件が揃い、花粉の飛散量が多くなると予想されている。日本気象協会の調べでは、近畿地方と東海地方の一部ではなんと去年の10倍以上になると予測されており、今年は、これまで以上に対策を心掛ける必要がありそうだ。
花粉症対策の基本といえば、外出時のマスク。フィルターが何層にもなっており、花粉の侵入をなるべく少なくする工夫がされたものが開発され、人気を集めている。次に心掛けるのが、食事や身体の内側からの対策だ。現在多くの企業がさまざまな食品の花粉症に対する効果を研究し、商品化を進めている。
乳酸菌飲料の代名詞ともいえるヤクルトは、1999年6月より、400億個のヤクルト菌を配合した「ヤクルト400」を発売。2005年に行われた第4回日本機能性食品医用学会において「ヤクルト400を毎日1本飲み続ければスギ花粉症の症状が緩和する」とも報告されている。業務用わさびのトップメーカーである金印は「ワサビチオヘキシル」シリーズを発売。わさびの健康効果の研究を行っていた花粉症患者の研究員の症状が、いつもより軽いことに注目し調査をしたところ、わさびの成分である6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートという成分の抗炎症作用が関係していることを明らかにした。そこで、同成分を含む花粉症対策商品を開発。現在はマスクスプレーやアロマ、ドロップなど5種類の商品を販売している。また、みつばち健康科学研究所にてプロポリスの研究を続けてきた山田養蜂場は、「花粉ハーブ」をリニューアル。プロポリスエキス中に含まれる花粉症へ期待できる特長成分「アルテピリンC」「バッカリン」「クリフォリン」「ケンフェライド」の総重量を従来の1.5倍に増量し、これらに甜茶やシソエキス、花粉荷などの自然素材を加えた栄養機能食品となっている。
このように、マスクや食品を上手く利用した予防を行いながら、症状が出始めると早めに病院へ行き治療を行うことが花粉症と付き合う上で大切だといえるのではないだろうか。