美容効果や日常づかいできる使用感など、多様化する日焼け止め

2011年01月31日 11:00

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用途や使用感など、日焼け止めは今やTPOやユーザーのニーズに合わせて様々な種類の中から選ぶことができる。

 紫外線の浴びすぎによる体への悪影響は言うまでもなくよく知られており、中でも、長年浴び続けることによって肌のシミやしわ、たるみを引き起こし、”肌の老化原因の約80%を占める”とも言われる「光老化」は女性にとって切実な問題である。そんな昨今、女性の紫外線対策への意識は年々高まっており、それと同時に、日焼け止め市場もここ数年280億円前後と高い水準を保っている。

 紫外線対策への意識だけでなく、日焼け止め市場が高い水準を保っている理由の一つとして、日焼け止め商品の機能性や使いやすさの大幅な向上や多様化が挙げられる。薬局や薬店、ドラッグストアに並ぶ商品を見てみると、「SPF」や「PA」といった数値で表される、紫外線をカットする能力の高低だけでなく、保湿や美白といった美容効果、肌への負担の少なさ、ミルクタイプやジェルタイプといった素材の違いなど、様々な種類の商品があるのが分かる。

 中でも最近では、年間を通して日焼け止めを使用する女性に向けたデイリータイプの商品が多く見られる。これらは、日常づかいをするために塗った後の違和感を少なくするなど、使用感にこだわって開発されたものだ。日焼け止め市場全体の販売金額は2007年度から2009年度が約283億円と横ばいであったのに対し、デイリータイプの商品は2007年度が約65億円、2009年度が82億円と大幅に伸びていることが分かる。今は女子中高生も登校前に日焼け止めを塗る時代なのだそうだ。

 本格的な紫外線の季節の到来を前にしたこの時期は、各社が春夏向けの日焼け止めを発表する時期であり、今後、たくさんのメーカーの日焼け止めが店頭に並ぶ。そんな中、1990年に日焼け止め市場に参入し、紫外線をカットする機能性の高さを追及した商品だけでなく、特有の「日焼け止め臭」をカットしたUVカットパウダーを開発するなど、長きにわたって日焼け止め市場をリードしてきたロート製薬<4527>が、二つのブランドの日焼け止めを2月3日に発売・リニューアル発売する。

 まず、ベーシックブランド「サンプレイ」から、「スーパーブロック」「スーパークール」「クリアウォーター」「ベビーミルク」の4商品の処方を変更。海やプール、山などでの強力な紫外線から肌を守る高い日焼け止め効果はそのままに、新しい高密度コーティング技術を採用し、使い心地の良さをプラスした。そして、肌にうるおいを与えながら日常の紫外線をカットするデイリータイプの「スキンアクア」からは、軽いつけ心地の「さらさらミルク」と、つけた瞬間に水のような気持ち良さを感じられる「さらさらジェル」の2種類を発売。どちらの商品もヒアルロン酸を配合し、高い保湿効果はそのままに、毎日の使用を意識したさらさらの使用感にこだわっている。

 紫外線に対する意識の向上と、用途に合わせて選べる商品の多様化によって、さらなる拡大が期待される日焼け止め市場。どういったことに着目した商品を開発・販売しているのか。まだ寒さが残る中、徐々に店頭に増えはじめる日焼け止めの特長を眺めてメーカー各社の動向を探りたい。