新年度予算に雇用創出効果を重視した政策組む

2010年12月16日 11:00

 菅総理出席の下、雇用戦略対話第6回会合が15日、総理官邸で開かれ、労働・産業関係者と有識者それに政府関係者が現下の雇用情勢に適切に対応するための「雇用戦略・基本方針2011」を合意した。政府は平成23年度予算編成を含め、経済・雇用政策の推進にこの方針を十分に反映させるとともに、具体化、実施にあたって労使、有識者の意見を十分尊重するとしている。

 菅総理は「基本合意をすすめ、それぞれの立場でも進めることが大事」と語り、「雇用が拡大することが、デフレ脱却、景気上昇、元気の良い社会をつくっていくことにつながる」と、基本方針の実効をあげるための一層の努力を要請した。

 また、菅総理は「中小企業の中で元気の良い企業が良い人材を求めているにも係わらず、なかなか難しい」と語り、求職者がこうした企業にも目を向け、挑戦することの必要もうかがわせた。

 今回の基本方針では「雇用情勢の動向を注意深く見守り、3段構えの経済対策の推進などを進めていく」としている。特に、来年度の予算編成については「雇用をつなぐ、創る、守る」を3本柱として「雇用創出効果を重視した政策を盛り込み、新成長戦略実現会議などとも連携を図りながら、本格的な雇用・人材戦略の推進を図る」としている。

 具体的には、来年度の主要政策の中の「雇用をつなぐ政策」では「新卒者などの雇用対策の推進」「無料の職業訓練や訓練期間中の生活支援のための給付を行う求職者支援制度の創設の検討」「パーソナル・サポートの推進」「ジョブ・カード制度の見直し・推進」「実践キャリア・アップ制度の推進」「障がい者雇用の促進」などに取り組むことをあげている。

 また、雇用を守る政策の中で、最低賃金引上げにより最も影響を受ける中小企業に対しての支援を盛り込んでいる。
(編集担当:福角忠夫)