高速道路無料化社会実験 自治体の反応さまざま

2010年11月17日 11:00

 国土交通省は高速道路無料化社会実験スタートから3ケ月を経過したことから、無料化社会実験区間を有する都道府県31都道府県と有しない16府県を対象に実験中の評価や見直し・区間の追加、高速道路全般に対する意見を聴取した結果を16日、公表した。

 その結果、高速道路の有用性をいずれの自治体も認識し、国の責任において未整備区域について早期実現や具体化を求める意見が相次いだ。

 また、「高速道路の無料化は地域間交流の促進や物流の効率化に寄与するものと期待される」「休日の交通量の大幅な増加により観光振興や地域活性化につながると期待している」などと評価する声があがった。

 一方で、「渋滞の発生による高速性の確保」や「JRやバスなど並行している他の交通機関への影響を懸念する」意見とともに、「無料化により経費が増大していけば、今後、高速道路の整備が進まなくなるのでは」と財源を心配する自治体の多いことも分かった。

 また、東京都は「(無料化は)受益者負担の原則に反し、公平性を欠く。環境面での影響など、様々な問題がある」として「社会実験の拡大には反対」と明確に反対。大阪府は「国全体の高速道路政策の具体的な方針をできるだけ早く示すべき」などの意見を出していた。
(編集担当:福角忠夫)