帝国データバンクが行った出版業界2009年度決算調査の結果、大手出版社10社のうち8割が減収になったことが分かった。業界最大手の一角を担う講談社、小学館、光文社は2期連続減収に加え、2期連続で最終赤字、また、文藝春秋も2009年度決算で赤字に転落していた。
講談社、小学館、光文社、文藝春秋の2009年度の赤字額は、それぞれ、57億円、44億9000万円、42億円、5億8000万円だった。
帝国データバンクでは「電子書籍市場の発展に伴い、従来型の出版物流通システムが大きく変わる可能性が出てきている」と指摘。「今後、売上予想が立てられない、既得権益が崩壊するといった事態に関係業種は直面するかもしれない」と電子書籍の普及で「今期は更に苦戦が予想される」との厳しい見方を示していた。
この調査は2007年度、2008年度、2009年度の業績が2010年9月末時点で判明している出版社と出版取次業者、書店経営業者のうち、2009年度の年間売上高が1億円以上の1112社を抽出し、分析。
その結果、出版社の2009年度決算売上高トップは集英社の1332億9800万円、次いで、講談社の1245億円、小学館の1177億2100万円だった。この3社を含め、売上高上位10社を見た結果、8社が2009年度決算で減収になっていた。
(編集担当:福角やすえ)